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今年の受賞作の特徴は、メッセージ性とイノベーティブ

【レポート】Wii、クゥ、広島が受賞!! 「第11回文化庁メディア芸術祭」受賞作品発表

2007年12月05日 15時55分更新

文● 千葉英寿

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原 恵一監督

原 恵一監督

 最後に受賞者として出席したアニメーション部門大賞を受賞した原 恵一監督、マンガ部門優秀賞を受賞した一条ゆかり氏がそれぞれ挨拶した。

 原監督は、受賞作品の制作の経緯について「商業作品として作り上げられるか、半信半疑なところがありましたが、なんとか作ることができました」と述べ、「アニメという仕事における夢みたいなものだったので、非常にうれしい反面、長い間自分の一部みたいになっていたものが自分の手を離れて、完全に自分の中からいなくなってしまったという寂しさもあります」と率直な心の内を明かしてくれた。さらに「今後はこの賞を励みに、次の作品に動き出したいです」と、次回作への意欲もかいま見せた。

一条ゆかり氏

一条ゆかり氏

 続いて、人気作品である「有閑倶楽部」がいままさに絶好調の時期にある一条ゆかり氏はアニメ部門の優秀賞を受賞した。「凄い時代になったな、と実感しています。以前はマンガに夢中になると馬鹿になるとか、さまざまな迫害にあってきました。私はマンガで小学校にはいる前に字を覚え」とそこまで語ると、一条氏は急に言葉に詰まり、「そうしたことがあったいろんな昔のことを思い出すと、しみじみとうれしいなと思います」と涙ながらに語った。そして、「日本は文化芸術がたくさんありますが、捨てないでがんばってきたマンガが、日本の誇れる文化になったことが本当にうれしいんです」と語った。

 一条氏のようなキャリア、人気ともに大絶頂の作家の突然の涙に、こちらも胸の熱くなる思いを感じずにはいられなかった。



第11回文化庁メディア芸術祭 開催概要

 第11回文化庁メディア芸術祭は以下の通り、開催される。今回はこれまでの恵比寿から六本木に場所を移し、心機一転、新たなスタートとなる。会期中は受賞作品展を中心に、作品の上映会や受賞者シンポジウムやテーマシンポジウムなどが行なわれる。また、例年通り「第13回学生CGコンテスト受賞作品展」をはじめ、世界中のメディア芸術フェスティバルを紹介する「Media Art in the World」や、表現のための新技術や再先端技術を生み出す表現の可能性を紹介する「先端技術ショーケース」なども同時開催される。

会期
2008年2月6日(水)~2月17日(日)10時~18時
金曜は20時まで(入館は閉館の30分前、2月12日休館)
会場
国立新美術館(東京・六本木)【入場無料】

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