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「つみきのいえ」でアヌシー映画祭&メディア芸術祭の2冠を達成

加藤久仁生監督に聞く、ネットアニメの現在地

2009年02月06日 20時00分更新

文● 盛田 諒/トレンド編集部

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加藤久仁生監督「つみきのいえ」。老人が海に沈みかけているレンガ造りの家に「潜って」いき、そこで様々な記憶と出会う。すべて鉛筆画から作られている、あたたかみのある映像は加藤監督ならでは (C) ROBOT

 文化庁が主催するメディアアートの祭典、メディア芸術祭。12回目となる今回、アニメーション部門で大賞を獲得したのは、加藤久仁生監督のショートアニメ「つみきのいえ」だ。

加藤久仁生監督。1977年生まれ、鹿児島市出身。多摩美術大学在学中からアニメーションの自主制作を始める。同大学卒業後、2001年に株式会社ロボットにアニメディレクターとして入社。主な作品に「或る旅人の日記」「つみきのいえ」がある

 同作は世界最大のアニメーションアワードとして知られる「アヌシー国際アニメーション映画祭」で、2007年度の細田守監督「時をかける少女」に続く2008年度のグランプリも受賞しているため、今回で2冠の作品となった。

 加藤監督は現在「ROBOT」に所属するアニメディレクター。同社は、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」などの企画制作を行なう気鋭のコンテンツプロデュース集団だ。

 2003年、加藤監督がROBOT名義でShockwave上にリリースした「或る旅人の日記」はクチコミで人気が広がった作品。同作は阿佐ヶ谷ラピュタ主催のアニメーションアワードで「ユーリー・ノルシュテイン大賞」を獲得したことでも注目を集めた。

 その無国籍かつファンタジックな映像は、フランスやカナダ、韓国など海外でも高く評価されているが、国内ではまだ名前が知れ渡っているとは言いがたい。前述のShockwaveも先月を最後に日本から撤退してしまうなど、「国内よりも海外の方が日本のアニメーションを知っている」というふしぎな状態になってしまっている。

2009年1月31日をもって国内のShockwaveサービスは完全に撤退してしまった。「跡地」は現在、人気のあったFlashゲームコンテンツへのリンクページとなっている

 今回は「つみきのいえ」の製作秘話とともに、日本のアニメクリエイターが置かれている状況について、加藤監督に聞いた。

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