文化庁が主催するメディアアートの祭典、メディア芸術祭。12回目となる今回、アニメーション部門で大賞を獲得したのは、加藤久仁生監督のショートアニメ「つみきのいえ」だ。
同作は世界最大のアニメーションアワードとして知られる「アヌシー国際アニメーション映画祭」で、2007年度の細田守監督「時をかける少女」に続く2008年度のグランプリも受賞しているため、今回で2冠の作品となった。
加藤監督は現在「ROBOT」に所属するアニメディレクター。同社は、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」などの企画制作を行なう気鋭のコンテンツプロデュース集団だ。
2003年、加藤監督がROBOT名義でShockwave上にリリースした「或る旅人の日記」はクチコミで人気が広がった作品。同作は阿佐ヶ谷ラピュタ主催のアニメーションアワードで「ユーリー・ノルシュテイン大賞」を獲得したことでも注目を集めた。
その無国籍かつファンタジックな映像は、フランスやカナダ、韓国など海外でも高く評価されているが、国内ではまだ名前が知れ渡っているとは言いがたい。前述のShockwaveも先月を最後に日本から撤退してしまうなど、「国内よりも海外の方が日本のアニメーションを知っている」というふしぎな状態になってしまっている。
今回は「つみきのいえ」の製作秘話とともに、日本のアニメクリエイターが置かれている状況について、加藤監督に聞いた。