【レポート】Oracle OpenWorld 2007
Enterprise2.0を実現するミドルウェア――オラクル、「Fusion Middleware 11g」を披露
2007年11月14日 21時21分更新
米国時間で13日、Oracle OpenWorld 2007の会場にて米オラクルはアプリケーション・プラットフォームであるOracle Fusion Middleware 11gのプレビューを実施した。正式な製品リリースは2008年中となる。
エンタープライズ・コンテンツ管理機能を強化
13日、Oracle OpenWorld 2007の会場にて、米オラクルはアプリケーション・プラットフォームであるOracle Fusion Middleware 11gのプレビューを実施した。 オラクルはミドルウェア分野で高い成長率を実現しており、2006年に約3万2000社だったFusion Middlewareの顧客企業は、2007年には約5万社にまで増加している。
このFusion Middleware 11gは従来までのSOA(サービス指向アーキテクチャ)、グリッド・コンピューティング、セキュリティといった各機能を強化。さらにWikiやブログ、ソーシャルネットワーキングといったWeb2.0のコンセプトをエンタープライズのアプリケーションに取り込む「Enterprise 2.0」を実現する新機能を搭載した。
Enterprise 2.0向けの機能として発表されたのは、Content Serverの新機能「Universal Content Management」。これは構造化、非構造化された情報に関わらず複数のアプリケーションで共有の単一データとして管理できるというもの。そのビジネスデータはポータル機能「WebCenter」上で使うことで、あたかも写真を「Flickr」上で共有するような感覚で、他ユーザーと共有できるようになるという。また、「グループスペース」と呼ばれるSNS機能も搭載していく。
Fusion Middlewareを担当するシニア・バイスプレジデント トーマス・クリアン氏は、「BPELなどのオープンスタンダードに準拠したコンポーネントで構成されるFusion Middleware 11gのミドルウェアソリューションによって、ユーザー企業は規模の大小を問わず、優れたビジネスプロセスの統合環境を実現することにより、一元化した正しいビジネス情報を共有することができる」と述べている。
Fusion Middleware 11gのβ版のテストに170社ユーザー企業が参加しており、すでにβ版のversion.4まで終了している。Fusion Middleware 11gは2007年12月中旬に開発者向けに公開され、2008年中に製品コンポーネントが順次リリースされる。