「安かろう悪かろう」への警戒心が理由のひとつか?
またノートパソコンを購入する計画がある人に対して「いくらまでなら許容できるか」という質問をしても「6000元未満」(31.8%)よりも「6000~8000元」(42.1%)と回答する人が多いという結果となった。
同調査でノートパソコンを買う際の最大の壁は「値段が高い」(44.8%)と答えている人ほぼ半数であるにもかかわらずだ(他に挙がった理由では「性能が低い」(31.9%)「拡張できない」(11%)「アップグレードできない」(7.7%)などがあった)。
筆者の経験則でいうと、中国人は日本人以上に商品に対し「安かろう悪かろう」というイメージを強く抱いている。極端に安い機種を毛嫌いするのが一因にあるのではないかと思う。
ちなみに「所持するノートパソコンが壊れた経験があるか?」との質問に68.4%の所有者が「壊れた経験がある」と回答。その内訳となる故障箇所について最も多い回答から並べると、「ハードディスク」(21.2%)、「モニター」(21.1%)、「コネクタ」(16.9%)、「マザーボード」(16.5%)となった。
ハードディスクは理解できるとして、コネクタやマザーボードが故障するなんてどれだけ乱暴に扱っているんだ? と思いそうだが、中国市場ではノートパソコン用の汎用ないし特定モデル専用のケースはリリースされない。そのため電脳街では日本のエレコムやサンワサプライなどの製品が輸入され高値で販売されているが、このあたりも一因ではないか。
日本メーカーのノートパソコンは中国人にどう写るか?
レノボ(ThinkPadシリーズを除く)など、中国メーカーのノートパソコンは基本的に安価だ。それに対してHPやデルなどの米国企業、ソニー、東芝、富士通などの日本企業、サムスンなど韓国企業の製品は高い。上の調査結果では、高価でもいいものを求める傾向があると出ていたが、果たして日本メーカーのノートパソコンは中国人の目にどう映るのだろうか?
所有するノートパソコンをメーカーで分類すると、1位より「HP」(21.8%)、「ThinkPadを除くレノボ」(12.5%)、「ASUS」(11.5%)、「ThinkPad」(11.2%)、「デル」(11.1%)と続く。日本勢は8位に「東芝」(2.7%)、9位に「ソニー」(2.5%)、15位に「富士通」(1.2%)がランクインしている。
一方でノートパソコンを所有する人に対し「買い替えをするならどこのメーカー?」と聞くと、1位より「HP」(20.3%)、「ThinkPad」(19.1%)、「ThinkPadを除くレノボ」(16.1%)、「デル」(11.3%)、「ASUS」(9.3%)となる。
面白いのは所有率よりも購入希望率が8ポイント近く上回ったThinkPad。「次こそはThinkPadを!」と思うノートパソコンユーザーはかなりいることが伺える。
日本メーカーはというと、「ソニー」(5.8%)は6位で所有率より約3ポイント増と健闘したが、「東芝」(1.1%)、「富士通」(0.9%)などはポイントを減らしている。日本メーカーのノートパソコンは高性能だと認知されているが、中国におけるほかメーカーのノートパソコンに比べ値段が高めで、かつ購入できる代理店も限られており、電脳街で見かける機会も少ない。これが劣勢を強いられている理由なのではないか。