選考基準 コンサルタントに求められる素質とは
アビームコンサルティングの中途採用では最低3年の職歴が必須条件で、ITスキルがあれば“なお可”としている。年齢で言えば、25歳から38歳くらいが対象となり、資格は不問だが、種類やレベルを問わずSAP認定資格やオラクル マスター、JAVA認定資格などのIT系の資格を有していると、一定の即戦力性があると期待しやすいという。
「資格はアピール材料となりますが、たとえ資格を所有していなくとも、プロジェクトマネジメントの実務経験やITのライフサイクル全般に渡る基礎要素、業界知識があれば採用のポイントとなります」
「いずれにしても最終的に採用でもっとも重視するのはコンサルタントとしてのポテンシャルですね。将来的にコンサルタントとして成長する素養があるかどうかを、書類と面接で見極めます」
では、どのようにして書類や面接からコンサルタントとしてのポテンシャルを見抜くのか。
「履歴書や職歴書などの書類は、読む人のことを意識して端的で分かりやすく書かれているかを見ます。コンサルティングという仕事は、顧客に対して案件を的確に説明し、理解をしてもらうことが大切です」
「ですから、いくら華やかな経歴や資格があっても、分かりにくかったり独りよがりな書類を書く方は、あまり向いていないと判断します。これまで自分が関わった仕事について、目的・内容・人数・規模などこちらが知りたいであろう項目を一目瞭然にまとめた書類が理想的ですね」
コンルタントを目指してスキルを磨くコツ
分かりやすく端的に、ということは面接においても同じだ。これまでの仕事や経験を、短時間で論理的にプレゼンテーションできる能力が求められる。その中でも特に重視するのが「これまでやってきた仕事の全体像を把握しているか」だという。
「たとえプロジェクトの一工程であるプログラミングだけをしてきた人であっても、どのような目的のプロジェクトであったのか、その中で自分はどのような役割を担っていたのか、どのような成果を挙げたのかなど、広い視野で理解しているかがポイントとなります」
「こうした全体像の把握や、個々の業務を理解することは、コンサルティング=経営課題解決支援という仕事をする上で欠かせないものです。それを書類と面接で表現できれば、コンサルタントのポテンシャルを持っているということになりますね」
仕事に追われる毎日を過ごしていると、どうしても目の前の仕事を片付けることや知識を詰め込むことに注力してしまいがちだ。しかし、将来コンサルタントを目指すのであれば、備える努力を日々怠ってはいけない。
「コンサルタントを目指すのであれば、日頃から言われた仕事をこなすだけではなく、常に課題を見つけてそれに挑戦していくことが大事でしょう。俯瞰的・客観的な視点を持つことももちろん大切です。また、上司や先輩が作った議事録や資料に目を通し、それを参考にしながら表現力を培うこともできると思います」
ポテンシャルを高めるヒントは、実は身の周りにたくさんあるのだ。
- ■取材協力
- アビームコンサルティング
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