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人事担当者が明かす 知られざる書類審査・面接突破の秘訣! 第4回

ヤフー人事担当者の採用評価ポイント 変化の速いWeb業界の即戦力候補とは

2007年01月18日 00時00分更新

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斎藤由希子さん ヤフー株式会社 人事部人材開発2 リーダー

斎藤由希子さん
ヤフー株式会社
人事部人材開発2
リーダー

日本最大のポータルサイトであるヤフーの躍進の背景には、即戦力となる人材の積極採用があった。そのため採用選考では、入社直後から実力を発揮できるかどうかを特に重視しているという。それは具体的にはどのような人材が求められているということなのか。同社人事部人材開発2リーダーの斎藤由希子さんに、最近の採用者の傾向を聞いた。

書類の書き方
・志望動機を記入する際は「なぜ入社したいのか」「入社後は具体的にどんなことをしたいのか」を提示する
・基本的には実務経験があることが前提。未経験の場合は、応募職種に関する資格を明記すること
面接ノウハウ
・職務経歴を説明するときは、業務内容だけではなく具体的にどのような立場で実績や成果を出してきたのかを話す
・限られた時間内で伝えられるように、事前に話すポイントを構成する

時代の変化に柔軟に対応できる人材が、求められる即戦力

 日本のインターネット人口の急速な増加に呼応するように、インターネットサービスは多種多様になっていった。ヤフーもネット人口の増加にともない、『Yahoo! ニュース』『Yahoo! メール』『Yahoo! ショッピング』などのサービスを拡充してきた。それに比例して社員数も拡大し、その総数は2,000人を超えた。今後は、仕事量の増加に伴う人材の補強ではなく、サービスの“質的変化”に対応していけるように人材を補強していくという。

「これまでの10年は、日本のインターネット需要に応える“量的変化による成長期”だったので、ポータルサイトとしての機能を充実させてきました。しかし現在、インターネットの普及率は50%を超えました。これからの10年は、どれだけサービスに満足していただけるかという“質的変化による成長”が問われる時代となります。つまり、ユーザー1人1人のニーズに高レベルで対応するというサービスを準備していかなければならないのです。したがって、サービスを提供する側の人材には、これまで以上により高いレベルのクオリティ追求、ビジネスモデルの構築、柔軟性が求められるようになります」

 ヤフーはクオリティの高いサービスを従来と変えていく必要性が出てきたという。また、ますます激しい変化の中で、多様な要望に応える企画を絶えず生み出し続けていくことも求められている。この対応速度がユーザーの支持、ひいては企業の存亡につながるのだ。現在同社は、企画の立ち上げから実行までを素早く行なえる体制作り──決裁の簡略化に取り組んでいるという。これと平行して、即戦力として採用された人材が2~3年で中堅となって活躍できる「成果主義」の導入も行なわれているという。

「ヤフーでは、業務上の意思決定スピードを速めるため、たとえば入社まもない社員が事業部門長に直接意見を伝えられる組織体制をとっています。また、成果主義も導入しているので、結果を出せるのであれば比較的自由に業務を任されます。厳しい面もありますが、入社直後からやりがいを見出せると思いますよ」

短い面接時間! いかに有効なアピールができるかがポイント

 ヤフーをはじめ、常に新しいサービスを意識するインターネット企業で採用されるには、具体的にはどのようなアプローチをしていけばいいのか。斎藤さんは「自分がどんな知識や技術を持っていて、それを生かして何をしたいのか」を、書類選考の時点から明確に伝えていくことが重要だと話す。

「ヤフーの場合、選考に学歴や性別は関係はありません。これまでの経験を生かして何をしたいのかという『明確なビジョン』を描けているかどうかが採用のポイントとなります。実務経験があることが前提ですが、経験が不足している場合は取得している資格を参考にすることもあります。今後業務経験を積めば、実力を発揮できる人材かどうかの目安とします。たとえば、ウェブアプリケーションエンジニアを目指すなら、UNIX系の基本的なオペレーション知識やC、C++、Perl、PHP、Javaなどの言語を使ったWebアプリケーションの開発・運用に習熟していることですね。また、データーベースに強い人材も必要としています」

 また面接においては、たとえば今回のヤフーのように大量採用も考えられる企業の場合、想像以上に面接時間が限られていることが多い。つまり短い時間の中で、自分をいかに要領よく伝えられるかが最大のポイントとなる。そして中途採用面接時の主軸はあくまで「どのような実績をこれまで残してきたのか」となる。プロジェクトを手がけた経験があるならば、具体的にどのような立場でどのような実績や成果を出してきたのかを自己アピールするように心がけよう。

「中途採用の面接は、即戦力となる人材であるかどうかを確認する場でもあります。職務経歴について『こういうプロジェクトを手がけました』で終わってしまう方もいます。しかし、実務能力が伝わるよう、プロジェクトの中で自分が担った役割は何なのか、どのような成果をあげたのかを具体的に伝え、即戦力であることをアピールしてほしいですね。とはいえ、仕事の経緯をすべて説明する必要はありません。面接時間は限られているので、プロセスよりも結果を中心にアピールしていくといいでしょう。エンジニアの場合、どれくらいの期間で何を開発したのか、どのような方法で企業の売上に貢献したのかなどを、詳しく説明できると好印象です。またヤフーのように、入社後にさまざまな技術を習得できる環境がある企業では、これからもスキルアップしていきたいという前向きな姿勢を伝えることも大切ですね」

 自分自身のキャリアに関する明確なビジョンを描き、これまでの成果を具体的に把握しておくこと。そして、それを他人に伝えられる能力は面接に限らず重要なことだ。加速的に変化を続けるIT業界では、意思を迅速かつ明確に伝えなければ用をなさない。また、さらに直接お客様と接することのない技術職であっても、サービス業に従事している一員であることとサービス業の基本理念を忘れてはならない。

「自分が良いと思ったことが100点満点だと決め付けて、どんどん作り込んでしまっても自己満足に終わってしまうことが多いです。しかし本当のビジネスとは、周囲の人たちと共同で築き上げなければ成果を達成できないのではないでしょうか。スキルや自主性だけでなく、協調性も仕事に不可欠な要素です。資格や経験を持っていることも大切ですが、時間と規律を守りながら常にお客様の視点で物事を考えられるか、ということも大切です。そして、そうしたことができる人こそ、即戦力として第一線で活躍しているのです」

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