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MCコジマのカルチャー編集後記 ― 第246回

うなぎたちはどこから来て、どこへ行くのか

2017年07月25日 08時00分更新

文● コジマ/ASCII

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 うなぎが、ピンチです。

 もうすぐ「土用丑の日」。なんといっても、平賀源内のエピソードで知られますよね。商売がうまくいかないうなぎ屋が、夏に売れないうなぎを売るために源内に相談したところ、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧められた。その通りにしたら、大ヒットしたそうな。

 ちなみになぜ貼り紙をしただけで売れたかというと、「丑の日に“う”の字がつくものを食べると夏負けしない」という風説があったらしい。そこで精の付くうなぎがいいよ、とアピールしたわけです。

 暑い時期を乗り切るために栄養価の高いウナギを食べるという習慣は、日本では8世紀頃には既にあった文化。「万葉集」にも大伴家持の「石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに よしといふものぞ 鰻とり食せ」なる歌が収められています。石麻呂という老人に「夏痩せにいいからうなぎを食べたらどうか」と勧める歌ですね。

 しかし、そのうなぎが絶滅の危機に瀕しているニュースもよく聞きます。国際自然保護連合は、2014年にニホンウナギを絶滅危惧種に指定。また、台湾政府では絶滅危惧種リスト(レッドリスト)で「最も絶滅の危険度が高い種」に指定したそうな。日本の環境省や国際自然保護連合のレッドリストよりも危険度が1ランク高いわけで、それだけ危機感を持っているということでしょう。

 さて、この編集後記でも書きましたが、「山芋鰻になる」という言葉があります。十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にも「されど山の芋鰻にならず、相かわらずの貧乏」とあるぐらいです。うなぎが無ければ山芋を食べればいいじゃない……という意味では、もちろんありません。

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