Google Cloud Next Tokyoで語られた“企業向けAI変革基盤”の現在地
「Gemini Enterprise」に大規模導入の波 ― SOMPO・NTTデータ・Skyが描く“エージェント企業”への進化
2026年08月04日 08時00分更新
AIの力でともに創ろう、ワクワクする日本の未来を――。 2026年7月30日~31日、Google Cloud Japanが開催した「Google Cloud Next Tokyo 26」の初日のキーノートは、代表の三上智子氏によるビジョンの提示から始まった。
AIスタックを垂直統合するGoogle Cloudの中核ソリューションであり、AIの力で企業の未来を変える基盤が「Gemini Enterprise」だ。キーノートでは、同基盤の訴求に最も多くの時間が割かれ、エージェントの開発・運用を担う「Gemini Enterprise Agent Platform」と共に、その現在地が示された。同基盤を大規模導入するSOMPOホールディングス、NTTデータ、Skyのゲスト登壇の様子とあわせてレポートする。
AIエージェント時代における「Gemini Enterprise」の3つの強み
Google Cloudの強みは、エージェント時代に必要なAIスタックを垂直統合している点だ。AIインフラから基盤モデル、データ基盤、セキュリティ、エージェント基盤、アプリケーションに至る各レイヤーを、自社で一貫して開発・運用している。
三上氏がこの統合スタックにおける「中心的な存在」と語るのが、Gemini Enterpriseである。ビジネス変革を目指す企業のためのエージェントの活用・開発基盤だ。
Google CloudのAIチームでプロダクトマネジメントをリードするリリー・マクニーラス(Lilly McNealus)氏は、Gemini Enterpriseの特徴を3つ挙げる。
1つ目は「シンプル」さだ。24時間365日パーソナライズされたエージェントが標準搭載され、あらゆるUIからすぐに利用できる。2つ目は「安全」さだ。すべてのエージェントとモデルを単一の管理コンソールで制御でき、データ主権も担保できる。3つ目は「費用対効果」だ。目的に応じて、GoogleのAIモデルだけではなくパートナーやオープンなモデルも選択でき、コスト最適化のツールによってトークン費用も抑えられる。
Gemini Enterpriseにおいて、従業員のAI・エージェント活用の“入り口”になるのが「Gemini Enterprise app」である。社内で散らばるデータソースに接続し、AIモデルやGoogle製エージェント、カスタムエージェントを業務活用するためのインターフェースを提供する。
その中で新たに加わったのが、24時間自律的に稼働するパーソナルAIエージェント「Gemini Spark」だ。デバイスを閉じた状態でもバックグラウンドでタスクを代行し、過去の利用履歴を引き継ぎ、どのUIからアクセスしても一貫した体験をもたらす。「最も重要なのは技術的な複雑さを抽象化して、従業員が高付加価値なタスクに集中できるようにすること」(マクニーラス氏)
さらに、Gemini Enterprise appでは、チームのコラボレーションを促進するための機能を拡充している。「スキル(Skills)」は、従業員が日々繰り返し行うタスクをエージェントのアクションに変え、再利用可能なものとして共有できる。「プロジェクト(Projects)」は、AIに参照させるファイルやソース、対話履歴などをひとつの場所に集約するAIとの協働ワークスペースだ。
「キャンバス(Canvas)」は、自然言語で生成されたドキュメントやプレゼンテーションなどをそのまま共同編集できるエディターで、Office形式への出力までをスムーズに完結できる。
ノーコードでカスタムエージェントを構築可能な「エージェントデザイナー(Agent Designer)」も強化され、人間によるチェックポイント(ヒューマン・イン・ザ・ループ)を組み込めるなど、より高度なエージェントを作れるようになった。
なお、Gemini Enterprise appの日本リージョン対応もキーノートで発表されている。
キーノートでは、こうしたGemini Enterpriseを大規模導入することで業務プロセスの変革に挑むSOMPOホールディングス、NTTデータ、Skyがゲスト登壇した。
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