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旧Google Agentspaceが生まれ変わった「企業のGemini活用の入口」

Googleから「Gemini Enterprise」登場 AIエージェントの活用基盤、コーディングエージェントも標準搭載

2025年10月10日 07時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 Google Cloudは、2025年10月9日(米国時間)に開催した「Gemini at Work」にて、新たなAIエージェントの活用・構築基盤である「Gemini Enterprise」を提供開始することを発表した。

 Gemini Enterpriseは、旧Google Agentspaceをベースに、AIエージェントの活用や構築、運用に必要な機能を統合した企業向けプラットフォーム。様々な業務アプリケーションと連携する独自のエージェントを構築・編成して、ワークフローを自動化することができる。Google製のエージェントとしてコーディングエージェントなども利用可能だ。

6つのコンポーネントにみるGemini Enterpriseでできること

 グーグル・クラウド・ジャパンのテクノロジー部門 執行役員である寳野雄太氏は、Gemini Enterpriseについて、「企業向けに提供するGeminiのイノベーションへの入口」であり、「あらゆる従業員があらゆるワークフローでエージェントを活用できるプラットフォーム」と位置付ける。

グーグル・クラウド・ジャパン テクノロジー部門 執行役員 寳野雄太氏

 ここからは、Gemini Enterpriseを構成する6つのコンポーネントを通じて、同基盤の特徴を紹介する。

Gemini Enterpriseのコンポーネント

 ひとつ目は、エージェントが自律的に働くための「モデル」だ。最新のGeminiモデルに即座にアクセスできる。

 2つ目は、独自のエージェントを構築・編成・共有するための「ワークベンチ」だ。「Gemini Enterprise Agent Designer」によって、自然言語でエージェントを構築し、視覚化されたワークフローを基にノーコードでカスタマイズすることができる。エージェントが実行するアクションには、Googleのサービス以外にも、接続中のサードパーティサービスのタスクも指定可能だ。

 エージェント同士の連携も設計できる。複数のエージェントを協調させることで、「エンドツーエンドで仕事が自動化される世界」(寳野氏)が実現可能になるという。また、独自開発したエージェントをエージェントギャラリーで共有して、組織内で利用を広げることも可能だ。

Gemini Enterprise Agent Designer

 3つ目は、「事前構築されたエージェント群」だ。Googleやパートナーが事前構築し、すぐに利用できるエージェント群が用意される。Google製エージェントには、開発者向けの「コーディング エージェント」や、データアナリスト向けの「データサイエンス エージェント(プレビュー)」などがある。

Gemini Enterprise コーディング エージェント

 4つ目は、エージェントが適切な行動がとれるよう、各データソースからコンテキストを取得するための「グラウンディング」の仕組みだ。Googleのサービスだけではなく、Microsoft 365やSalesforce、ServiceNowといったサードパーティサービス、各種データストアなどもデータソースとして追加可能だ。

チャットインターフェイスで参照するデータソースを設定可能

 さらに、Gemini Enterprise上のエージェントは、企業ごとに自動構築される「ナレッジグラフ」を基に、データソースから得たコンテキストを理解する。この仕組みによって、各エージェントは企業や社員にパーソナライズされたアクションをとることができる。

 例えば、エージェントに「進捗確認をしたいので、前回のアクションアイテム付きでチームMTGを設定して」と頼むと、企業やチームの階層構造を理解した上で、直近の議事録やメール・チャットのやりとりを参照し、招待のDraftを作成してくれる。

エージェントがチームMTGの招待Draftを作成する様子

 5つ目は、企業で利用するための「ガバナンス」の仕組みだ。エージェントの利用権限や共有設定を管理でき、外部サービスとも安全に接続できるよう設計され、AI利用のガードレール機能も組み込まれている。これらのガバナンスを単一のダッシュボードで制御可能だ。

ガバナンスの仕組み

 最後が「オープンなエコシステム」だ。Gemini Enterpriseでは、 オープンなプロトコル「A2A(Agent2Agent)」に対応したエージェントや、オープンな開発ツール「ADK(Agent Development Kit)」で開発されたエージェントであれば、どのようなモデルやクラウドを利用していても、他のエージェントと協調させることができる。

オープンなエコシステム

 Gemini Enterpriseは、企業の規模に応じて大きく分けて2つのエディションで提供される。

 中小企業・スタートアップ・大企業の部門向けの「Gemini Business」は、メールアドレスだけですぐに利用を開始できる。大企業向けにセキュリティやコンプライアンスを強化した「Gemini Enterprise(Standard/Plus)」では、デスクレスワーカー向けのFrontline版も用意されている。

 価格は、Gemini Business(年間プラン)は1ユーザーあたり月額21ドルから、Gemini Enterprise(年間プラン)は1ユーザーあたり月額30ドルからとなっている。

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