“メタ認知能力”の有無も影響?
ただし、奇妙に感じた部分もありました。それぞれの構成要素が、ぶつ切りになっているような印象を受けたのです。パワーアップアイテムを早い段階で集めることができれば、後半までかなり有利に進められるという状況は変わりません。何が出てくるのかは偶然による部分も大きいので、序盤で強力になると、その興奮がかなり高まり、このゲームの魅力になっていると感じました。圧倒的な攻撃力も、後半には、激しい敵の攻撃に耐えられなくなって、1度のミスで失ってしまうので、ゲームの緊張感は否応なく高まります。
ただ、それらの要素は、計算された総合的な体験として設計されたものではないと感じたのです。
Fable 5とのやり取りで、高度な知性を持っているように感じられ、計画のレベルが高い理由の一つには、その“メタ認知”能力があると筆者は考えています。ある計画を検討し、実施する場合には、利用するユーザーをシミュレートして、その情報を計画の中にも盛り込んでいるのではないか、という仮説です。シューティングゲームを作る場合にも、他のLLMと比べて、それが全体的な経験の設計力の差として出ているのではと筆者は考えています。(参考:AIはすでに、私たちの心を内部で再現しているのかもしれない)
同じような能力をKimi K3も持っているのかを質問してみたところ、「人間のプレイヤーを再現する内蔵シミュレーターはありません」と答えてきました。その上で、「学習した『典型的なプレイヤー行動』の知識」という経験則の寄せ集めで、このゲームを作ってきたと説明してきました。Kimi K3が、過去のシューティングゲームの経験則で作ってきたのだとすると、個別のパーツはバグがない状態で作れる一方で、ゲーム全体の体験の設計にまで踏み込んで最初からバランス調整できなかった理由も説明できます。
Kimi K3は、個別能力こそ鋭いものがあるものの、Fable 5ほどの総合的なメタ認知メタ認知能力までは、まだ到達していないのではないかと、筆者は推測しています。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第166回
AI
社内WebサービスをAIで開発 完成後に直面した運用の壁 -
第165回
AI
AIがBlenderを勝手に操作 3D制作のハードルが一気に下がった -
第164回
AI
AIはすでに、私たちの心を内部で再現しているのかもしれない -
第163回
AI
無料の画像生成AI「Krea 2」が話題 実写もアニメもこなす新勢力 -
第162回
AI
ローカルAIで“しゃべる推理ゲーム”を作ったら、思ったよりちゃんとゲームになってきた -
第161回
AI
わずか3日で停止された新AI「Claude Fable 5」は何がすごかったのか -
第160回
AI
寝不足になるほど面白い ローカルAIと音声合成をつないだら、キャラが普通にしゃべり始めた -
第159回
AI
AIを使える人と使えない人で、とんでもない差が出ると実感した理由 -
第158回
AI
SDXLの次はこれ? アニメ特化のローカル画像生成AI、驚きの実力 -
第157回
AI
AIだけでゲームは作れるのか? Codexに7本作らせて見えた実力と限界 - この連載の一覧へ






