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最新パーツ性能チェック 第481回

旧世代Ryzenに3D V-Cacheでどこまで戦える?「Ryzen 7 7700X3D」「Ryzen 7 5800X3D 10th Anniversary Edition」レビュー

2026年07月16日 22時00分更新

文● KTU (加藤勝明) 編集●北村/ASCII

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あるべき所に着地してはいるが、総じて微妙

 では検証に入ろう。一番手は「CINEBENCH 2026」である。CPUでCGをレンダリングするテストすべてを実行するが、Core Ultra 7 270K PlusはSMT非対応であるため、SMTテスト(1c)は除外している。

CINEBENCH 2026:スコアー

 Core Ultra 7 270K Plusが飛び抜けて高いマルチスレッド(nT)スコアーを出しているが、それは単純にコア数が多いからである。今回準備したRyzen勢はすべて物理8コア、論理16スレッドであるため、Core Ultra 7 270K Plusに負けてしまうのは当然の話。

 だがRyzen勢の中を見ると世代で性能の出方が大きく変わっている。Zen 5+第2世代3D V-Cacheを備えたRyzen 7 9800X3Dを筆頭に、そこから3D V-Cacheのない9700X、Zen 4+初代3D V-Cache搭載の7800X3D……と続く。Ryzen 7 7700X3Dはクロックが控えめなぶんRyzen 7 7800X3Dよりやや下だが、ここで7700Xに負けているというのが興味深い。Ryzen 7 7700XのTDPは105Wだが、ブーストクロックがRyzen 7 7700X3Dより高めに設定されており、これが影響していると考えられる。

 続いては「Blender Benchmark」だ。Blenderのバージョンはテスト時点で最新の「5.1.1」を使用している。

Blender Benchmark:スコアー

 CINEBENCH 2026と異なり、Ryzen 7 9700X〜7700Xが非常に近いところに集まるという珍しい結果に。特にmonsterの差がないように見える一方で、junkshopなどは微妙ながらも差がついている。そしてここでもRyzen 7 7700X3Dは7800X3Dの下、という順当かつ微妙なポジションにつけている。

 続いては「HandBrake」だ。再生時間約3分の4K@60fps動画に対し、プリセットの「Super HQ 1080p30 Surround」および「Super HQ 2160p60 4K AV1 Surround」でエンコードする時間を比較した。

HandBrake:エンコード時間

 序列としてはCINEBENCH 2026と同傾向。トップはコア数の多いCore Ultra 7 270K Plus、続いて現行世代のRyzen 7 9800X3DからRyzen勢が続き、Ryzen 7 7700X3Dは7700Xや7800X3Dよりやや遅いというポジションに落ち着く。同じ8コアでもZen 3世代のRyzen 7 5800X3Dは明らかに7700X3Dなどよりも処理に時間を要しているなど、Zen 3/ 4/ 5の世代格差もはっきりと感じられた。

 続いてはHandBrakeエンコード(Super HQ 1080p30 Surround)時における消費電力をHWBusters「Pownetics v2」を利用して計測した。これは電源ユニットとマザーやビデオカードの間に挿入するタイプの電力計であり、電源ユニットの変換効率を考慮しない実消費電力を見るためのものである。今回はシステム全体の消費電力とCPUの消費電力の2つをチェックしたが、システム全体の消費電力のうちPCI ExpressスロットからGPUに流れ込む電力は計測から除外している(ライザーカードの問題)。

 グラフにあるアイドル時とは文字通りアイドル状態で3分放置した際の平均値を示す。そして高負荷時とはエンコード処理の間の電力を指すが、こちらは平均値の他に99パーセンタイル点(99%ileと表記)も比較する。

システム全体の消費電力(ATXメインパワー+EPS12V×2+12v-2x6ケーブルの合算)

CPUの消費電力

 Ryzen 7 9800X3Dから7700X3Dまでの3D V-Cache搭載モデルのTDPはどれも120W設定だが、9800X3Dだけ飛び抜けて高い。これは3D V-CacheがCCD(Core Complex Die:CPUコアを収めたダイ)の裏側に隠れCCDの冷却が効率化したため、より限界まで攻められるようになったからである。ちなみにRyzen 7 9700XはTDPが65W、7700Xは105Wが定格である。RyzenのTDPと消費電力は(ある意味)分かりづらい。

 続いては「UL Procyon」を用いて実アプリの性能を検証してみよう。まずは「Office 365」を実際に動かす「Office Productivity Benchmark」である。CINEBENCH 2026やHandBrakeはCPUコアの負荷が非常に高いテストだが、こちらはCPUコアへの負荷が小さめである。弱火で炙るような負荷では、Ryzen 7 7700X3Dや5800X3Dはどの程度強い/ 弱いのだろうか?

UL Procyon:Office Productivity Benchmarkのスコアー

 TDP 65WのRyzen 7 9700Xが9800X3Dを僅差で上回っているのは、9700Xの方がブーストクロックが高く設定されているため。TDPが65Wしかなくても弱火で炙るような処理の場合は電力制限される前にブーストクロックの高さで押し切れるというわけだ。

 肝心のRyzen 7 7700X3Dはここでも7700Xより全体にスコアーが低め。旧世代のRyzen 7 5800X3Dよりはスコアーは高いが、PowerPointなど僅差に詰め寄られているテストもある。さらに実売価格が下のRyzen 7 9800X3Dに完敗していることを考えると、現状の価格設定では7700X3Dの立つ瀬はない。

 続いては「Photoshop」および「Lightroom Classic」を動かす「Photo Editing Benchmark」で比較した。

UL Procyon:Photo Editing Benchmarkのスコアー

 RyzenでPhotoshop(Image Retouching)が強いというのは以前にも証明済み。Ryzen 7 9800X3Dと9700Xの2モデルはコア数で上回るCore Ultra 7 270K Plusすら寄せ付けない。ただRyzen 7 7800X3Dや7700X3Dは3D V-CacheがCCDの上にあるためクロックが伸びず、結果としてCore Ultra 7 270K Plusをやや下回る結果になった。

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