スマホの充電が完了すると物理的にケーブルを抜いてくれる
「自動切断アダプター」を衝動買い
スマホのバッテリーの過充電を防ぎ、寿命を延ばすための周辺機器は、古くからガジェット界隈における定番の衝動買いアイテムだ。タイマー式や電流検知式のケーブルなどが存在する中、昨今、国内外のECモールを中心にまったく新しいアプローチの製品が登場し、筆者の物欲センサーを激しく刺激した。
なんと、デバイスが満充電になると内部のメカニズムが作動し、物理的にプラグを押し抜くという、文字通りの「自動電源遮断」ガジェットである。
当初、ネットの海で見かけた「2個で1200円」という超格安セットに手を出したのだが、あまりの怪しさに恐れをなし、すぐさまキャンセル。あらためて仕切り直し、1個あたり1200円で流通しているLEDリング付きの単体モデル「X01-Full charge separator」を入手した。
しかし、手元に届いた実機を検証していくと、そこには現代の高度な給電規格と、中華ガジェット伝統の「割り切り」が同居する、実に見事な多くのどんでん返しが待ち受けていた。
1個1200円で2個購入した自動電源切断アダプター「X01」のパッケージと本体。この種の製品には元祖的な存在の「KUWAJIA」という製品があり、ウェブページに表示されていたのはそれに似た外観だったが、送られてきたものは丸いLED付きモデルだった
小型モーターとギアによって健気にも動作する
手元に届いたパッケージを開封すると、そこには25gのごく小さなType-Cアダプターが収まっていた。外殻は難燃性のプラスチック製だが、最大の特徴はプラグの左右に配置された2本の白い突っ張り棒「プッシュロッド」がある。
以前、同種のデバイスについてAIに尋ねたところ「内部のスプリング(バネ)で弾け飛ぶ仕組みではないか」との回答を得ていたが、実際に検証すると、その推測は見事に裏切られた。作動した瞬間、筐体内部から「チュイイ~ン」という高音の、しかしどこか懐かしい明確なギア(歯車)の回転音が響いたのである(以下の動画は、満充電前後に突如作動。ギアが回転し、自らプラグを押し抜こうとする健気な動作の瞬間)。
メカ超素人の筆者にもこのデバイスはバネ仕掛けではなく、内部に超小型モーターとプラスチック製の減速ギア、そして回転運動を直線運動に変える「ラック・アンド・ピニオン機構」を詰め込んだ完全なギアドライブのメカニズムだと感じられた。
バネ式のように手動でリセットする必要がなく、引き抜き後にモーターが逆回転してロッドを自動格納する合理性には、1200円の価値を十分に感じさせる。
しかし、実際の運用テストを進めると、このX01の「電子回路としてのストライクゾーンの狭さ」と、突っ込みどころ満載の仕様が次々と露呈し始めた。まず、電源とスマホの間にUSB電流テスターを割り込ませ、本機とスマホの間にテスターを挟み込む順序にした途端、本機は完全なパニックに陥る。
現代の複雑なUSB PD通信を中継する知能がないため、目の前にテスターという「計測チップを積んだ異物」が挟まったことで、流れる電流が最初から閾値未満であると誤認してしまうのだ。その結果、繋いだ瞬間に内部のスイッチが「カチャカチャ、チチチチ!」と悲鳴のようなリレー音を連打し、充電不能の無限ループへと突入してしまった。
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