AI利用に合わせてGPU、ネットワーク、電力までを全体最適化
NTT、AIインフラ構想「AIOWN(AI×IOWN)」を発表 国内データセンター総容量は3倍超の「1ギガワット」へ
2026年04月30日 11時30分更新
NTTは、AI実装に伴う需要拡大に応え、国内AIインフラ基盤の構築を加速していく。都市型や郊外型、遠隔型まで、全方位でデータセンターを拡充。2033年度までに、国内データセンターのIT電力容量を、現行の3倍超となる「約1GW(ギガワット)」まで引き上げる。
加えて、NTTとNTTデータグループ、NTTドコモビジネスの3社で、AIの利用用途に合わせた「リソース最適化」と「オペレーション」を実現するAIネイティブインフラを「AIOWN(AI×IOWN)」として推進していく構想だ。
2026年4月27日の説明会にて、NTTの代表取締役社長 社長執行役員 CEOである島田明氏は、「GPUやネットワーク、電力などのリソースを最適化し、エッジまで含めた統合オペレーションを実現するAIネイティブインフラを展開していく」と語った。
本記事では、説明会後半に行われたNTTグループのAIインフラを活用するトヨタ自動車と中国電力との対談を含めて、説明会の内容をレポートする。
AIインフラの需要に応える5つの技術領域
AIの実装に伴い、AIワークロードの中心が学習から推論へと移行する中、AIインフラに求められる要素も変化している。それは、高密度ラックの発熱対応に始まり、データセンター間の低遅延・超高速接続、機微データの扱い、エッジへの対応など多岐にわたる。
島田氏はこうしたニーズを踏まえ、AIインフラで重点的に取り組む“5つの技術領域”を説明した。
ひとつ目は、GPU高密度ラックをコスト効率よく冷却する「液冷方式」だ。GPUの高性能化に伴い、1ラック当たりの消費電力量は急増している。従来の空冷方式と比べて、消費電力を最大60%抑える液冷方式への転換は、もはや不可欠となっている。
こうした中でNTTグループは、液冷方式のデータセンターを世界で250MW(メガワット)以上提供する「グローバルトップランナー」だと島田氏。説明会では、半導体企業のRapidusがNTTグループの液冷データセンターを採用したことも明かされた。
2つ目は、低遅延・大容量・低消費電力の「光電融合インターコネクト/ネットワーク」だ。既にNTTグループの全国の主要データセンターや主要都市の間は、IOWN APNで接続済みである。さらに2027年度までには、47都道府県の県庁所在地を網羅する800GbpsのIOWN APN基盤を構築予定だ。
こうしたIOWN APNには、PEC-1と呼ぶ光融合デバイスが用いられている。次世代のPEC-2は光電融合スイッチとして、サーバー内のボード間を光でつなぎ、サーバー内通信の低消費電力化を推進していく(参考記事:ついにサーバーの中まで“光”が NTT、IOWN 2.0でブロードコムらと「光電融合スイッチ」投入)。
3つ目の技術は、機微データを扱うための「ソブリンAI」だ。AIを競争力に変えるためには、企業の保有する機微なデータやノウハウをAIに学習させ、コア業務で実装しなければならない。
そのために、NTTグループでは、自ら構築・運用するネットワークやデータセンター/プライベートクラウド上で、独自開発したLLM「tsuzumi 2」やアプリケーションまでを運用する。さらに、高度なデータのアクセス制御を適用するなど、フルスタックでソブリンティを担保する環境を築いている。
4つ目は、エッジへの対応のための「分散基盤最適化」だ。中小規模や今後建設予定のものを含めると、NTTグループが全国で運用するデータセンターは、47都道府県で160拠点以上に及ぶ。地理的なカバレッジに加え、安定した電力供給を確保しており、低遅延かつ安全にAIを利用するためのインフラが整備されている。
さらに、IT環境やAI需要に応じて、 低発熱AIチップ向けの従来型空調から、ハイスペックなGPUに対応する最新の液冷方式、設置場所や規模、設備を自由に設計できるコンテナ型まで、幅広いラインアップのデータセンターを取り揃える。
そして最後の技術が、「AI向けネットワーク」だ。各データセンターと顧客拠点やエッジをつなぐ「Network as a Service(NaaS)」を提供する。接続先拠点にハードウェアを設置・管理する手間がなくなり、ネットワークリソースを“分単位”で利用できるのが特徴だ。また、通信ベースで脅威を検知、遮断する仕組みも備えている。
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