ホワイトハウスも活用 全社員で新規事業を育てイノベーションにつなげる「IdeaScale」
IdeaScale ジャパン 全社員で新規事業を育てるプラットフォーム、JID 2026 by ASCII STARTUPブースレポ―ト
提供: IdeaScale ジャパン株式会社
新規事業開発の担当者なら、こんな経験があるのではないだろうか。専任チームを組んで半年かけてプロジェクトを進めたのに、アイデア提案や意見のやり取りが活発に行われない。また、メンバーが異動した途端に活動が止まってしまう。外部コンサルタントを入れてつくり、ワークショップを行っても、契約が終われば元通り。参加するのは一部の社員だけで、集まった案も十分に活かされない。そもそも新規事業やアイディアの有効活用を、どこから手をつければよいのか分からない。
こうした課題を根本から解決するプラットフォームとして、日本の大手企業を中心に導入が進んでいるのが、IdeaScale ジャパン株式会社が提供するイノベーションマネジメントプラットフォーム「IdeaScale」だ。
具体的には、社員が思いついたアイデアを気軽に投稿でき、それに対して他の社員がコメントや評価を行ない、さらに関連アイデアを紐づけながら磨き上げていく。集まったアイデアはデータとして分析され、有望なテーマが浮かび上がる仕組みになっている。単にアイデアを集めるだけでなく、「出しやすくする」、「見える化する」、「磨き上げる」までをひとつの環境で回せる点が特徴だ。
2026年3月3日に開催された展示交流イベント「JID 2026 by ASCII STARTUP」にIdeaScale ジャパン株式会社が出展。ブースでは、イノベーションマネジメントプラットフォーム「IdeaScale」を紹介した
「新規事業部」という仕組みそのものが限界を迎えている
IdeaScale ジャパン代表取締役CEOのイスル・スバシンへ氏は、日本企業のイノベーションが停滞する構造的な原因をこう指摘する。
「アイデアを出すのは、どの組織でもだいたい全体の1割の人です。それ自体は問題ではありません。課題は、残りの9割の人がプロセスに関与できていないことです」
本来、アイデアへのコメントや関連情報の共有もイノベーションの重要な要素だが、多くの企業では可視化も評価もされていない。さらに、機能を新規事業部に閉じ込めることで、他の社員は「自分には関係ない」と距離を置き、知見が組織に蓄積されにくい構造になっている。
「全社員参加」でアイデアが自然に進む仕組み
IdeaScaleは、こうした構造的な課題を解消するクラウド型のSaaSプラットフォームだ。最大の特徴は、ユーザー数に制限がなく、組織の全員が参加できる点にある。
社員は誰でもアイデアを投稿でき、他者のアイデアにコメントや評価を付けられる。投稿は実名でも匿名のいずれも可能で、「自分だけではない」という安心感が参加のハードルを下げる。
さらに重要なのが、アイデアが“自動的に育つ”仕組みだ。従来は担当者が一つひとつフォローし、評価し、次のステップへ進める必要があったがIdeaScaleでは、そのプロセスがシステム上で管理される。
「SNSを使う感覚で、新規事業をつくれるようなシステムです。誰かが後ろから押し続けなくても、アイデアが前に進んでいきます」(イスル氏)
また、誰がどのアイデアに関与し、どのような貢献をしたのかがすべて記録される。アイデア投稿だけでなく、「読む」、「コメントする」といった行為も可視化されるため、これまで評価が難しかったイノベーション活動を人事制度に組み込むことも可能になる。
オバマ陣営から生まれたプラットフォーム
IdeaScaleのルーツは米国にある。もともとは、バラク・オバマ元大統領の選挙キャンペーンにおいて、限られたリソースの中で組織全体の知見を活用するために開発されたという。
「約500人規模のスタッフがいる中で、いかに全員の知見を活かすか。そのための仕組みとして生まれました」(イスル氏)
同氏の就任後は、米国のイノベーション政策の中でも活用が進み、ホワイトハウスや政府機関へと導入が広がっていった。日本では2014年ごろに楽天が採用したのを皮切りに、大手企業を中心に導入が進んでいる。
1.5人分の工数相当、組織に残る仕組み以上の価値
価格は個別見積もりとなるが、導入企業では人件費との比較で投資判断が行われるケースが多い。イスル氏は、その目安として「専任担当者約1.5人分の業務に相当する」と表現する。アイデアの収集し、整理、評価といった運用業務の多くをシステムが代替することで、担当者の負担を大きく軽減できるためだ。
また、コンサルティングとの大きな違いは継続性だ。プロジェクト単位で完結するコンサルティングに対し、プラットフォームは組織に残り続ける。新入社員でも入社初日から参加でき、担当者が変わっても活動が止まらない。
さらに、ユーザー数に制限がないため、取引先やスタートアップにも開放できる。サプライチェーン全体を巻き込んだオープンイノベーションの基盤としても機能する。日本では、シナジーが見込める相手との連携に閉じがちだが、参加を広く開くことで、多様な視点や偶発的な組み合わせが生まれやすくなる。
アイデアの生成と分析を支えるAI機能
IdeaScaleには、アイデアの生成や分析を支援するAI機能も組み込まれている。ただし、その役割はあくまで人間の発想を補助し、アイデアの価値を高めるためのものだ。
「ゼロからアイデアを生み出すのは人間です。AIはそれを10や100にするためのアシストをします」(イスル氏)
具体的には、アイデアの評価や分類、類似アイデアの統合などをAIが支援する。これにより、これまで担当者が手作業で行っていた評価業務を効率化し、より創造的な判断に集中できるようになる。
育成から認定、ISOまでカバーするワンストップ支援
IdeaScaleジャパンは、プラットフォーム提供に加え、人材育成にも取り組んでいる。アイデア創出に必要なマインドセットやスキルを体系的に学ぶ人材育成プログラムを提供し、国際認定プログラムとも連携している。
背景にあるのは、イノベーション分野における人材の体系化の遅れだ。プロジェクトマネジメントにはPMPなどの資格がある一方で、新規事業やイノベーションに特化した認定はこれまで十分に整備されてこなかった。
さらに、イノベーションマネジメントの国際規格「ISO56000シリーズ」への対応支援も行っている。この規格では、企業に対して「安全にアイデアを共有できる環境」の整備が求められており、IdeaScaleのプラットフォームはその要件とも親和性が高い。
新規事業が生まれないのは、人材がいないからではない。アイデアを出し、育て、形にするプロセスが、組織に組み込まれていないからだ。IdeaScaleは、そのプロセスそのものを実装するためのプラットフォームだ。自社の新規事業、イノベーション体制を見直したい企業は、一度触れてみる価値がありそうだ。
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