PingCAP、富士通の次世代Armベースプロセッサ「FUJITSU-MONAKA」上でNewSQLデータベース「TiDB」の検証を開始
PingCAP株式会社
~高性能・低消費電力な次世代サーバーとNewSQLデータベースの組み合わせでAI時代の多様なニーズに最適化されたプラットフォーム提供へ~
PingCAP株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:Eric Han、以下 PingCAP) は、富士通株式会社 (本店:神奈川県川崎市、代表取締役社長:時田 隆仁、以下 富士通) が開発中の高性能な次世代プロセッサ「FUJITSU-MONAKA*1」上において、同社の協力のもと分散型データベース「TiDB」の検証を開始したことをお知らせします。

「FUJITSU-MONAKA」を採用した背景
今後、AI活用の加速に伴い、データ量やデータへのアクセス数は爆発的に増加していくことが予想されます。こうした状況において、単一ノードの性能向上に依存する従来データベースの垂直スケールは、拡張性や可用性の面で構造的な限界を迎えつつあります。このような環境下、TiDBに代表される分散データベースによる水平スケールをもつソリューションが、有効な選択肢として挙げられます。
「FUJITSU-MONAKA」は、富士通が開発する最先端の2nmプロセス技術を採用したArmベースの汎用CPUです。独自の3Dマイクロアーキテクチャにより高性能化と省電力化を両立させており、TiDBの分散データベースの水平スケール特性と「FUJITSU-MONAKA」のメニーコアによる垂直スケール特性を兼ね合わせることで、性能と効率の両立を実現する基盤として高い親和性を持つと考えられます。特に、TiDBのアーキテクチャはコンピューティング (TiDB) とストレージ (TiKV) が分離されているため、同価格帯の他社サーバーと比べノードあたりの電力性能に優れる「FUJITSU-MONAKA」のマルチコア処理能力を各コンポーネントへ柔軟に割り当てることが可能です。これにより、データ量の爆発的な増加に対しても、より低い消費電力でリニアな性能拡張を実現し、最小限のカーボンフットプリントを実現できることが、今回の検証開始および「FUJITSU-MONAKA」の採用における最大の技術的優位性となります。
検証の概要と目的
富士通による検証では、「FUJITSU-MONAKA」のメニーコア活用により、MySQLのインスタンス増設に伴うスループット性能のリニアな向上がすでに実証されています。この成果を背景に、現在は富士通協力のもと、高い拡張性を持つNewSQLデータベース「TiDB」を用いた検証を開始しました。本検証では、TiDBの特性である「水平スケール」に加え、「FUJITSU-MONAKA」のメニーコアを活かした「垂直スケール (単一ノード内での性能向上)」の両面からアプローチします。これにより、従来のx86サーバー環境と比較して、性能向上のみならず、サーバー台数の集約や消費電力の削減による圧倒的な効率性の実証を目指します。
「FUJITSU-MONAKA」on TiDBの主なユースケース
高性能かつ省電力性を追求した「FUJITSU-MONAKA」と無限に拡張できるNewSQLデータベース「TiDB」の革新的ソリューションから想定される主なユースケースや業界は、以下となります:
- データ量が爆発的に増加する業界
ECやオンライン小売業では、大規模トランザクション処理やレコメンドエンジン、在庫管理など、高頻度のデータ処理が求められます。秒間リクエスト数が膨大になるため、水平スケール可能なデータ基盤が不可欠です。また、ゲームやエンターテインメント分野では、リアルタイムランキングやマルチプレイヤーセッション管理など、高スループットかつ低レイテンシでの分散データベース処理が求められます。
- HPC / データ解析を多用する業界
金融やフィンテック分野では、リスク分析、リアルタイム取引監視、機械学習による市場予測など、高度な計算とデータ処理が必要です。高性能CPUとスケーラブルな分散データベースの組み合わせにより、リアルタイム分析の高速化を実現できます。また、製造業や自動車分野におけるスマートファクトリーでは、生産ライン監視、IoTセンサーデータ解析、予防保全など、多くのデータをリアルタイムに処理する必要があり、FA環境やエッジ環境での活用も想定されています。
- スマートシティ / エネルギー管理
スマートグリッドなどの運用企業では、電力需要予測や再生可能エネルギーの最適活用など、リアルタイム解析と低消費電力の両立が求められます。また、都市インフラの監視においては、交通、ビル、公共施設などのセンサー情報を効率的に管理し、エッジ環境でも安定した処理が可能であることが重要です。「FUJITSU-MONAKA」とTiDBは、こうした用途において運用コストの削減と効率化に貢献できます。
PingCAPの代表取締役社長であるHanは、本共同検証について次のように述べています。
「この度、富士通様の協力のもと検証を開始できることを大変光栄に思います。多くの企業は、データ量の急増に伴うパフォーマンスの限界や運用コスト・消費電力の増大といった深刻な課題に直面しています。富士通様がスーパーコンピュータ『富岳』の技術を応用して開発された次世代プロセッサ『FUJITSU-MONAKA』は、卓越した性能と省電力性を兼ね備えており、水平方向に無限にスケールする当社の分散データベース『TiDB』のアーキテクチャと理想的なシナジーを生み出します。この検証は、ミッションクリティカルな領域において、これまでにないパフォーマンスと拡張性を提供するための重要な一歩です。私たちは本取り組みを通じ、Armアーキテクチャにおける次世代データ基盤の新たな標準を築けると確信しています」
富士通の先端技術開発本部 ソフトウェア開発統括部 統括部長の平井は、次のように述べています。
「『FUJITSU-MONAKA』は従来のHPC領域のみならず、AIやデータセンター領域での活用を目指しており、高性能・高信頼性・省電力なプロセッサの特長を生かし、『TiDB』のような大規模なデータベース分野での活用も見込まれます。今回、PingCAP様との協業により、NewSQLとして水平・垂直スケール可能なTiDBと拡張性が高く、電力効率に優れた『FUJITSU-MONAKA』の互いの技術と知見による新たなデータベース基盤を創出します。お客様のTCO最適化とビジネス成長を支援すると同時に、グリーン・トランスフォーメーションを加速させ、持続可能な社会の実現へ貢献していきます」
※1「FUJITSU-MONAKA」は、2027年にリリースを予定している、最先端の2nmプロセス技術を採用したArmベースの次世代CPUです。富士通の自社設計マイクロアーキテクチャや超低電圧回路動作技術といった独自技術を適用しています。AIやHPCなどデータセンターの多様なワークロードに最適化され、従来CPU比で2倍の性能と2倍の電力効率を目指す、信頼性と使いやすさを兼ね備えた次世代プロセッサです。
※謝辞:この成果は、NEDO (国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構) の補助事業の結果得られたものです。
https://global.fujitsu/ja-jp/technology/research/fujitsu-monaka
※本ニュースリリースに記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
TiDBについて
PingCAPの主力製品である分散型NewSQLデータベース「TiDB (タイ・デー・ビー)」は、ゲーム業界、金融、決済サービス、Eコマース、コンテンツサービス、ロジスティックス、通信、製造、流通、メディアなど多種多様な業界やミッションクリティカルな場面での導入が進み、全世界で4,000社以上の企業に採用されています。TiDBは、MySQLやPostgreSQLなどの従来のリレーショナルデータベースと同様にSQLを使用してデータにアクセスすることができ、分散型のアーキテクチャにより水平方向の拡張性、強力な一貫性、MySQLとの互換性を備えた高い可用性、HTAP (ハイブリッドトランザクション/分析処理)、クラウドネイティブを特徴としています。また、TiDBの機能をクラウド上で使用できるフルマネージドサービスのTiDB Cloudを提供しています。TiDB Cloudは、スケーラビリティとコスト効率に優れたオプションとして注目されており、また従来のデータベースの枠を超えた付加サービスを提供しています。
PingCAPについて
PingCAPは、エンタープライズ向けのソフトウェアサービスプロバイダーとして2015年に設立され、オープンソースでクラウドネイティブなワンストップのデータベースソリューションを提供することにコミットしています。PingCAPの社名は、ネットワークの疎通を確認するために使用されるコマンド「Ping」とCAP定理の「CAP」の2つの単語を組み合わせています。3つのうち2つを選ばなければならないとされるCAP定理のC (Consistency - 一貫性)、A (Availability - 可用性)、P (Partition Tolerance - ネットワーク分断への耐性) ですが、この3つの全てに接続したい (Ping) という思いが込められています。PingCAPの詳細については https://pingcap.co.jp をご覧ください。
会社概要
会社名:PingCAP株式会社
所在地:東京都千代田区大手町2丁目6番4号 TOKYOTORCH 常盤橋タワー 9F
代表者:Eric Han (エリック・ハン)
設立:2021年3月15日
URL:https://pingcap.co.jp/
事業内容:分散型NewSQLデータベース「TiDB」を主力とした、オープンソースでクラウドネイティブなワンストップのデータベースソリューションを提供






















