連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第221回
市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 2月7日~2月13日
「アプリ内製化/市民開発ニーズ」をつかんだChatGPT/地政学的緊張で「クラウド国内回帰」進む/AIによる生産性向上は「見せかけ」だけ?、ほか
2026年02月16日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。
今回(2026年2月7日~2月13日)は、アプリ開発の内製化や市民開発に対する企業の意向と実態、レガシーシステムのモダナイズを図る国内ITモダナイゼーションサービス市場、地政学的な緊張の高まりで注目されるソブリンクラウドIaaS市場の動向、IT人材供給に欠かせないIT分野卒業生数の各国比較、についてのデータを紹介します。
[開発][内製] 8割近くの企業がアプリ開発で「内製化志向」、重視する市民開発ツールのトップは「GhatGPT」で「kintone」超え(サイボウズ、2月9日)
・業務アプリの開発方針が「内製志向」の企業は8割近くに上る
・非エンジニア社員による「市民開発」に取り組む企業も4割近く
・市民開発で最も多く利用されているツールは「ChatGPT」、生成AIツールが席巻
従業員100名以上の国内企業を対象に実施した、ローコード/ノーコード開発の現状についての調査より。アプリ開発の「内製/内製化」に取り組む企業は63%、また基本方針として内製志向(「完全内製」「内製優先」の合計)を持つ企業は78%に上る。一方、「市民開発」に取り組む企業も38%に達しており、アーリーアダプター企業へ広がり始めた段階と評価する。市民開発の対象となっているシステムは、受注や販売などの業務システム、経理や人事といった基幹システムが最多で、コア業務のアプリにも市民開発の動きが波及している。また市民開発の成果についても、幅広い項目で「効果がある」との回答が中心だった。
⇒ 市民開発に取り組む企業が重要視するフレームワーク/ツール/サービスとして、最多の回答は「ChatGPT」、2位は「Azure AI/Azure OpenAI」、3位は「kintone」、4位は「Google Gemini」でした。非エンジニア職においても「生成AIによるアプリ開発」があっという間に浸透しているようです。
[ITモダナイゼーション] レガシーシステムのモダン化、「リビルド」傾向が強まる(IDC Japan、2月10日)
・大規模/中規模企業の約8割、2025年時点でレガシーシステムを保有
・国内ITモダナイゼーションサービス市場、2025年は前年から約10%の伸び
・2030年にかけて年間平均成長率(CAGR)約10%で推移、2兆円超えへ
国内ITモダナイゼーションサービス市場(支出額ベース)の推移予測。IDC調査によると、国内では約8割の大企業/中堅企業がレガシーシステムを保有しており、ITモダナイゼーションの推進意向を示している。2025年は、前年比10.1%増の1兆3044億円(推定)となった。市場成長を促す要因は、短中期ではDX/デジタルビジネス化の加速、レガシー保守人材の減少、メインフレームのサポート終了(EOL)など。また中長期的には、レガシーアプリケーションのオープン基盤移行(リライト/リファクタリング、マイクロサービス化)の進行による支出拡大が見込まれるという。
⇒ レガシーシステムのモダナイゼーション手法としては、稼働するハードウェアやプラットフォームだけを移し替える「リホスト」、アプリケーションのロジック(機能)は変更せずプログラム言語やフレームワークだけを移し替える「リライト」、アプリケーション自体を再設計/再構築する「リビルド」があります。従来は移行リスクの少ないリホストが選ばれるケースが多かったのですが、「AI活用」「DX/業務変革」を目的としてリビルドを実行する傾向が強まっており、リホストは次第に減少していくと予想されています。

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