ドイツ、オーストリア、ベルギーが日本と挑む 製造業「脱炭素化」の加速
TechBIZKON IXが開催
2025年12月4日、東京・大手町のInspired.Labにおいて、日本と欧州のスタートアップ・エコシステムを繋ぐイベント「TechBIZKON IX: GX Factory Tech Innovations for Sustainable Manufacturing」が開催された。第9回目となる今回のテーマは「GX(グリーントランスフォーメーション)ファクトリーテック」であり、製造業や建設業におけるカーボンフットプリント削減を後押しする先進技術に焦点が当てられた。参加するオーストリア、ドイツ、ベルギー、日本の協力によるイノベーション・エコシステム構築の重要性を強調された。
日欧連携によるイノベーション創出
在日ドイツ商工会議所 副専務理事/駐日ドイツ商工特別副代表/DEinternational ビジネスサービス部門長のDr. ルーカス ヴィトスアスキー氏は、本イベントがスタートアップや関連プレイヤーを繋ぎ、相互の認知度を向上させるプラットフォームであると述べた。オーストリア大使館商務部 次長のアーノルド・アカラー氏は、9年間にわたる支援実績を振り返り、日本をアジアへのゲートウェイ、欧州を日本企業へのプラットフォームとする重要性を説いた。また、フランダース政府貿易投資局 日本事務所代表のディルク デルイベル氏は、欧州の「グリーンディール」政策に伴い、製造プロセス自体の脱炭素化を可能にする専門技術が不可欠であると指摘した。
各国は、スタートアップ支援のために以下の具体的なプログラムを提示。ドイツは「de:hub」イニシアチブを通じて、国内25カ所の拠点で海外スタートアップを支援する体制を整えている。オーストリアは、「Global Incubator Network (GIN)」を活用し、日本とオーストリア双方向の進出を支援する資金提供プログラムを展開している。ベルギー(フランダース)も、 「Startup Flanders」によるエコシステムの拡大に注力しており、特に日本企業の欧州拠点における生産プロセスの「グリーン化」を支援する技術の橋渡しを重視している。
製造業の未来、脱炭素化に向けた日欧の連携と課題
DWIH Tokyoのカーペンシュタイン アクセル氏が進行を務めたパネルディスカッションでは、規制と実装の両面から議論が交わされた。
TÜV SÜD Japanの邱亮達氏は、欧州の電池規制(Battery Regulation)や炭素国境調整措置(CBAM)などの複雑な規制に対応するため、製品設計段階からの適合意識が重要であると指摘した。一方で、Hammerer Aluminium IndustriesのMarlene Johler氏は、過度な官僚主義的規制が企業の負担となっている現状を危惧し、サステナビリティを「ビジネス価値を創造するカギ」として捉え直すべきだと提言した。
インフラの観点では、Port of Antwerp-BrugesのStefan Van Laer氏が、水素パイプラインや余熱利用ネットワークの構築など、産業クラスターの脱炭素化に向けた大規模な実証プロジェクトを紹介した。日本側の視点として、Plug and Play Japanの井上 莉沙氏(同社はエネルギーチームを派遣)は、日本のエネルギー政策「S+3E」(安全性、自給率、経済性、環境適合)に基づき、地熱発電や核融合、水素技術などの多様なポートフォリオを推進している現状を説明した。
パネリストたちは、サステナビリティを単なる「コスト」や「官僚作業」から、実装を伴う「ビジネスケース」へと転換させることが、今後の日欧連携における鍵であるとの共通認識を示した。






























