連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第213回
市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 12月13日~12月19日
セキュリティ人材の課題は人手不足ではなく「スキル不足」/生成AIのRAG導入が進まない背景/日本で強いインフレ悲観、ほか
2025年12月22日 08時00分更新
[セキュリティ][人材] サイバーセキュリティ人材、最大の課題は「人員不足」ではなく「スキル不足」(ISC2、12月17日)
・セキュリティ担当者の95%が「スキル不足」を課題と認識
・特に「重大または深刻なスキル不足」は59%、前年から大幅な増加
・「AIツールをセキュリティ業務に統合済み」は28%(日本24%)
世界のサイバーセキュリティ実務者/意思決定者1万6029人(うち日本1225人)を対象に、セキュリティ人材について調査した。最大のリスクとして95%が「スキル不足」を挙げており、その回答者のうち「スキル不足に起因する重大なインシデント」の経験者は88%に上った。一方で、セキュリティ人材不足について「人材を確保できない」とした回答者は29%だった(日本は42%)。セキュリティ対策業務におけるAI活用は、「すでにAIツールを業務に統合している」という回答が28%で、日本(24%)はやや遅れている。
⇒ セキュリティ部門における過去1年間のレイオフ経験率は、世界が24%に対して日本は12%と、日本の雇用環境の安定性も見られます。ただし、人材不足については世界平均よりもかなり深刻で、AIツール活用でその不足部分を補う必要があります。もっとも、AIツールを使いこなすスキルの不足が障害になってくる可能性もあります。
[社会][生活] 日本人の半数は「インフレ前の状態には戻らない」と認識、「来年は生活水準が上昇」は1割のみ(イプソス、12月17日)
・日本人の半数は「インフレ前の通常の状態には戻らない」、30カ国中で最多
・「今後1年間で自分の生活水準は上昇する」との認識は1割のみ、30カ国中で最小
・経済的なやりくりが「うまくいっている」は2割で、30カ国平均を大きく下回る
世界30カ国、約2万4000人を対象にした「イプソス生活費モニター」の結果より。「自国のインフレが落ち着き、通常に戻るまでどのくらいの時間がかかると思うか」という質問に対し、日本の回答者の51%が「通常の状態には戻らない」と回答。この割合は30カ国平均(26%)のおよそ2倍に及び、30カ国中で最多だった。今後1年間の自分の生活水準については、日本の「かなり/少し上昇する」というポジティブな見通しは10%にとどまり、これも30カ国中で最少。「かなり/少し低下する」というネガティブな見通しが38%を占めた(30カ国中3位)。
⇒ 現在は世界的なインフレ傾向が進んでいますが、日本では「インフレ継続」「生活水準の低下」予想が特に強く、経済的なやりくりについても悪化傾向にあると言えます。

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