東京国際工科専門職大学講師の小野憲史氏が投稿

ゲーマーの暴言→孤立化がチーム崩壊の要因に? 「ゲームにおける怒り感情がもたらす影響」をテーマにした研究資料が公開

文●いちえもん 編集●ASCII

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 東京国際工科専門職大学工科学部デジタルエンタテインメント学科 講師の小野憲史氏は、「FPSチーム対戦ゲームにおける怒り感情がプレイヤー間に与える影響の構造分析」と呼ばれる発表資料(著:高橋樹生・小野憲史)を、研究者情報データベース「researchmap」に投稿した。

 投稿された発表資料は、チーム対戦を主軸としたFPSタイトルにおける「怒りの感情」と「他者への影響」が研究テーマとなっている。

 5000件以上におよぶアンケート結果によると、コアゲーマーの多くは「自分の暴言が味方に悪影響をあたえるという自覚はあるものの、味方からの暴言は自分に影響しない」といった考えを抱いていることが明らかに。

 こうした傾向により、コアゲーマーの間で誤った自己責任意識やストレスの内在化が進み、チーム崩壊につながるのではないかと小野氏は指摘。

 対策例として、小野氏はアンガーマネジメントの導入や「自分だけが迷惑をかけている」認知を緩和するためのUIなどを挙げる。これらの対策を講じれば、チーム内での認知の非対称性を是正できる可能性があると説明している。

 小野氏は自身のXアカウントにて、発表資料は論文ではないと補足したうえで、「本調査で得られた知見をもとに、さらなる調査研究を行っていく」とポストしている。