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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第204回

市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 10月4日~10月10日

技術学生の大手SIer就職人気が躍進、その理由/成長率37%“急速拡大”の国内AI基盤市場/物価上昇で退職金の実質減少が続く、ほか

2025年10月14日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2025年10月4日~10月10日)は、昨年比40%近い成長を見せた国内AIプラットフォーム/アナリティクス市場、エンジニア学生の就職人気企業ランキングで大手SIerが躍進した理由、BtoBからBtoCへと領域拡大する電子契約サービスの国内市場動向、物価上昇が反映されず“目減り”する退職給付(退職金)水準についてのデータを紹介します。

[AI][アナリティクス] 国内AIプラットフォーム市場、前年比37%増の「急速拡大フェーズ」に(IDC Japan、10月6日)
・国内AIプラットフォーム/アナリティクス市場、2024年は前年比36.6%増の3734億円
・ハイパースケーラー(Microsoft、Google)とAI専業のOpenAIが市場競争の中心
・競争の軸は「機能」から「顧客への価値提供」へとシフト、市場は新変革期

 国内AIプラットフォーム/アナリティクス市場のソフトウェア売上動向調査。2024年、同市場の売上額は前年比で36.6%増加し、3734億円に到達した。現状は、多くのベンダーが売上を拡大する「急速拡大フェーズ」にあるとしている。市場競争の中心は、LLM(大規模言語モデル)を提供するハイパースケーラー(Microsoft、Google、AWS)やAI専業ベンダー(OpenAI)だが、同時に、特定領域に特化したソリューションを提供する多様なITサプライヤーも活躍しているという。

 ⇒ 市場シェアトップ5は、Microsoft、Google、SAP、Salesforce、IBM。AWSは、ハイパースケーラーながらトップ5に入っていません。

2024年の国内AIプラットフォーム/アナリティクス市場 ベンダー別売上額のシェア(出典:IDC Japan)

[新卒採用][エンジニア] 2027卒エンジニア学生の就職人気ランキング、大手SIerが大躍進もベンチャー人気も継続(サポーターズ、10月6日)
・2027年卒エンジニア学生が就職したい企業、1位は「NTTデータグループ」
・大手SIerやシンクタンクが昨年から順位上昇、物価高騰で好待遇/安定性求める
・ハイクラス学生の人気トップ3は「LINEヤフー」「DeNA」「サイバーエージェント」

 2027年卒業予定のエンジニア学生366名を対象に実施した「ITエンジニア就職人気企業ランキング」より。昨年2位だったNTTデータグループが1位になったように、ITメガベンチャー、大手SIer、ITコンサルティング企業が上位に目立つ。一方、ハイクラスエンジニア学生(半年間以上のインターン/アルバイト経験、Webサービス/アプリ開発経験ありの学生)165名に限定すると、インターネット業界企業の順位が上昇する結果となった。

 ⇒ 昨年のランキングと比べると、大手SIerやシンクタンクが大幅に順位を上げています。その背景には、積極的に「現場配属型インターンシップ」に取り組むSIerが増加していること、物価高騰により好待遇/安定性を求める学生が増加していることがあると分析されています。

2027年卒エンジニア学生を対象とした、ITエンジニア就職人気ランキングトップ30(出典:サポーターズ)

大手SIer各社が昨年比で順位を大きく上げている(出典:サポーターズ)

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