こどもたちがマインクラフトでさいたま市のまちづくりを実践!
「さいたま市マイクラまちづくり体験ワークショップ~presented by SAITAMA Minecraft AWARD 2025」レポート
提供: SAITAMA Minecraft AWARD 2025/さいたま市
マイクラを通じてまちづくりに興味を持ってもらう
2025年8月10日、さいたま市の小中学生を対象に「さいたま市マイクラまちづくり体験ワークショップ~presented by SAITAMA Minecraft AWARD 2025」が開催されました。
さいたま市では、国土交通省が推進する「Project PLATEAU」に参画し、市内各所の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を推進。このデータを活用して、浦和エリアと大宮・さいたま新都心エリアについて「マインクラフト」のワールドデータを作成・公開しています。
また、市民のまちづくりへの関心を高めることを目的に、さいたま市を舞台としたマインクラフトの作品コンテスト「SAITAMA Minecraft AWARD」を2024年度から実施しており、今年度も作品募集が始まっています。今回のワークショップもその一環として開催されました。
未来のさいたまをマインクラフトでつくるコンテスト「SAITAMA Minecraft AWARD 2025」
事前ハンズオン学習会も実施してこどもたちをサポート
今回のワークショップに先立ち、2025年7月26日には、こどもたちが自分のPCなどにマインクラフトのワールドデータをインポートし、実際に使ってみる学習会を開催しました。学習会には、59名のこどもたちが参加し、データのインポートにとどまらず、さっそくさいたま市のワールドを舞台に作品づくりに熱中。こどもたちは、さいたま市のまちのことや、コンテストへの応募に興味を持った様子でした。
2050年のさいたま市を創造してマイクラでつくろう!
8月10日のワークショップには、さいたま市在住の約50人の小中学生が大宮ソニックシティの国際会議室に集まり、サポーターとともにマインクラフトを使って“未来のさいたま市”のまちづくりを楽しみました。
はじめに、「SAITAMA Minecraft AWARD 2025」を担当するさいたま市の松山幸司さんがあいさつに立ち、「たくさんの市民の方々にまちづくりに興味を持っていただきたく、昨年から未来のさいたま市をマインクラフトで作るコンテストを始めました。応募者の中からファイナリストを決定し、2026年2月の最終審査会でグランプリを決定します」と紹介。
「今年のテーマは、“もっと暮らしやすく、もっとワクワクする2050年のさいたま市”です。今日のワークショップも、さいたま市の未来を担うみなさんに、楽しみながら未来のまちづくりを考えてもらおうと思います」と、今回のイベントの目的を説明しました。
また、松山さんは、大宮・浦和が「住みたい街ランキング」で全国でも上位に入るほど外部から注目されており、実際に住んでいる市内の人々からも住みやすい街として高い評価を得ていることを紹介。交通の利便性や食の充実、文化施設やスポーツ施設など、さいたま市の魅力について説明するとともに、さいたま新都心や浦和などのこれまでのまちづくりの変遷を紹介し、「マイクラでのまちづくりの参考にしてほしい」と松山さんは話しました。
アイデアを書き出し、テーマを決めてまとめていく
続いて、ファシリテーターを務めた石井龍生さんが、こどもたちにワークショップの流れを説明しました。石井さんは埼玉大学教育学部を卒業後、5年間小学校教諭として教壇に立ち、現在は小学生向け教育プログラム・教材をプロデュースしながら、大宮で学び×イベントの塾「SAIL-School of Voyager-」を運営しています。
石井さんは「25年後の2050年に『さいたま市がこうなっていたらいいな』、『こんな建物、こんな施設があったらいいな』という思いをアイデア発想のワークシートに書いてみましょう」と呼びかけました。
さいたま市の魅力や特徴などを学んだこどもたちは、今度は自分のアイデアを言葉にする作業に挑戦。頭の中に浮かんだことをワークシートに記入し、チームで発表します。それを聞き、触発されたまわりのこどもたちも、新たな発想を得て次々に発言していき、会場の雰囲気も活発になっていきます。
こどもたちはグループに分かれてアイデア出しにチャレンジ。サポーターには、さいたま市の小中学校に務める教職員なども参加。1グループにサポーター1人が付き、こどもたちのアイデア出しやディスカッションを支援した
次のステップでは、たくさん出たアイデアを整理し、ひとつのテーマにまとめていく作業へ。「たくさんのアイデアが出ましたが、全部を建ててしまうとゴチャゴチャした街になってしまいます。そこで、『2050年のさいたま市をこんなまちにしたい』という自分のテーマを決めて、アイデアをまとめていきましょう」と石井さんは促します。こどもたちは、サポーターとの会話やワークシートに記されたヒントなども参考にしながら、自分のアイデアをまとめていきました。
大人たちにもインタビューして意見を募る
「最後に、ほかの人たちの意見も聞いてみましょう。『〇〇なさいたま市にするために、どんな建物があったらいいと思いますか?』、『どんな街にしていったらいいとおもいますか?』と、会場にいる大人の人たちにインタビューしてみましょう」と促すと、こどもたちは自分のアイデアを持って、楽しそうに大人たちに質問して回ります。
この後、こどもたちはグループに戻り、聞き取りしたことをお互いに発表しました。「グループで話し合うときには、2つのルールがあります。1つは、友だちの発言を否定しないこと。『良いアイデアだね、すごいね、素敵だね』と言ってあげてください。2つ目は、友だちのアイデアを参考にしてください。友だちのお話を聞いて、『こういうアイデアもいいんじゃない』、『こういうアイデアも足してみよう』と、アイデアをどんどん膨らませていきましょう」と石井さんは呼びかけました。
このワークショップでは、マインクラフトを自由気ままに楽しむのではなく、「まずは制限なくアイデアを出し」→「テーマに沿ってアイデアをまとめる」→「足りないものを補足」→「他人の意見を聞く」→「自分の考えを発表して議論する」→「最終的に自分のアイデアをまとめる」というように段階を踏み、こどもたちが自らまちづくりのことを考え、アイデアを形にしていけるようにサポートを行いました。考える力、聞く力、まとめる力を養うことは大切なこと。こどもたちのこれからの学習や生活にも役立っていくことでしょう。
マイクラを使って自分が思い描く”未来のさいたま”を作る
いよいよマインクラフトを使った作業に入りますが、その前に「ピースAI」の説明が行われました。「ピースAI」は、教育関係者が会員となっている特定非営利活動法人タイプティーが制作したこどものための生成AIです。
タイプティー代表の鈴谷大輔さんは「アイデアが浮かばない人は、『ピースAI』も活用してみてください。たとえば『公園を作りたい』という曖昧な要望でも、AIが『こんなのはどう?』と会話形式で応えてくれます。AIのアイデアが『良いな』と思ったら参考にしてみてください」と説明しました。
こどもたちに与えられた時間は1時間30分。こどもたちは慣れた手つきで、どんどんと操作。キーボードで作業する子、マウスを巧みに扱う子、タブレットPCを指でタッチしながらブロックを配置していく子、中にはゲームパッドで作業している子もいました。迷うことなく作業を進め、自分が考えた未来のさいたま市のまちづくりに夢中になりました。
こどもたちが独創的な作品を発表
1時間30分の作業時間はあっという間に終了。すでに作品を完成させた子も、まだまだ作り足りないという子もさまざま。そうした中から今回の成果を3人のこどもたちが発表してくれました。
Mさんは、浦和にある埼玉県庁の前に、まちの新たなシンボルとなるような大きな水槽が一体となった高層のオフィスビルを建築。各フロアの窓から水槽の魚に餌やりができるようにするなど、随所にユニークな仕掛けを施しました。
埼玉県庁前に作った理由を尋ねると、Mさんは「県庁の前ならみんなが見てくれるし、口コミも増えるから(入居する)会社の利益が上がるかなと思った」と、経済性まで考えて作成したことを話してくれました。
次に作品を紹介してくれたのは、遊園地を作ったYさん。ジェットコースターのコース上に水中トンネルをくぐる仕掛けがあり、石井さんも「マイクラでジェットコースターを作る人は多いけど、水中コースを作るのは珍しい」と驚いた様子。また、制作途中とのことでしたが、観覧車とそのチケット売り場を細かく再現しようとしており、未来感を持ちながらリアルさも追求していました。
Yさんが遊園地を作った場所は、さいたま市役所新庁舎の建設予定地。石井さんが「市役所に遊園地があったらうれしい人はいますか?」と質問すると、多くのこどもたちが元気に手を挙げ、会場は笑い声に包まれました。さらに「空いたところには市場もつくりたい」とのこと。人の集まるさまざまな施設を建て、にぎやかな街にしたいという思いでしょう。
最後に発表したN君は、ハンバーガーショップなど外国人観光客に向けた店舗を作りました。さらに、さいたま新都心や大宮をつなぐ地下鉄を作って利便性を高めるとともに、木々などの自然を増やしました。「外国人観光客の人たちにも喜んでほしいし、交通も便利になってほしいし、自然もほしいから」と、ワークショップを通じて考えてきたさまざまなアイデアを詰め込んだ作品でした。
長時間にわたって行われたワークショップですが、参加したこどもたちは疲れた様子も見せず、始終楽しげにマイクラでのまちづくりに熱中していました。「楽しみながら未来のまちづくりを考える」というワークショップの目的は果たされたようです。
ファシリテーターを務めた石井さんは、「今日、さいたま市の仲間がたくさん集まって、最後まで楽しく作業できたことは本当に素晴らしいことです。これをきっかけに、さいたま市の未来のまちづくりについて、これからも考えてもらえたらうれしいです」と総括。さいたま市の松山さんは、「今日の作品を完成させて、ぜひコンテストにも応募してください」と最後に呼びかけました。
「SAITAMA Minecraft AWARD 2025」作品募集中!
「SAITAMA Minecraft AWARD 2024」の受賞作品
「SAITAMA Minecraft AWARD 2025」の作品募集(まちづくり部門)は2025年12月14日まで。その後、1次審査を経て、2026年2月21日にファイナリストによるプレゼンテーションと、最終審査会・表彰式が実施される予定です。また、参加しやすいフォト部門も設置されており、作品募集は2025年11月16日までです。いずれの部門とも締切までまだまだ余裕があるので、ぜひご応募ください。








































