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現行技術と比較して予測誤差を80%低減

既設の光ファイバーで“突発渋滞”を高精度にAI予測 NECが新アルゴリズム開発

2025年09月04日 11時30分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 経済損失を引き起こす深刻な社会問題のひとつに交通渋滞がある。その解決のための交通状況の把握には、カメラやループコイルなどの「断面交通量計」や「ETC2.0プローブデータ」が用いられるが、前者は設置・維持コストに、後者はリアルタイム性に課題を抱えている。

 また、現状の渋滞予測は、過去の長期データを学習させたモデルで予測するため、過去の傾向と異なる突発的な渋滞などを高精度に予測するのは困難である。

 NECは、2025年8月22日、上記の課題を解決すべく、光ファイバーセンシング技術を活用して、道路状況をリアルタイムに把握し、突発的な渋滞を高精度に予測する技術を開発したと発表した。既設の通信用光ファイバーケーブルをセンサとして交通流データを収集するため設置・維持コストがかからず、さらに独自の渋滞予測モデルを開発することで、予測誤差を従来比で80%低減しているという。

本技術の概要

 今回NECは、これまで開発してきた光ファイバーセンシング技術を活用して、道路沿いに敷設されている通信用光ファイバーから、全線の交通流データをリアルタイムに取得。そして、現在の交通流を正確に理論モデルにデータ同化して、未来の交通流をシミュレーションするための「モデルパラメータ最適化」と「データ変換」の2つのアルゴリズムを開発した。これにより、突発渋滞でもその延伸・解消過程を高精度に予測することを可能にしている。

 モデルパラメーター最適化は、“車間距離調整”といった車両挙動の発生率を予測する理論モデルのパラメーターを最適化するアルゴリズム。一方のデータ変換は、交通流の“平均速度”や各車両の“位置/速度”といった取得データをシミュレーションへ適用できるデータに変換するアルゴリズムである。

 これらの技術により、従来の断面交通量情報を用いた発生直後から解消までの渋滞予測と比較して、2地点間を移動するのに要する時間(旅行時間)の予測誤差を約80%まで低減できることを実データで確認したという。

現行技術と予測誤差の違い

 今回の予測技術により、効果的な交通制御や迂回路の設定が可能になる。現在、実環境での実証実験を進めており、2026年度までの実用化を目指しているという。

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