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科学技術振興機構の広報誌「JSTnews」 第32回

【JSTnews9月号掲載】NEWS&TOPICS 戦略的創造研究推進事業さきがけ/研究領域「持続可能な材料設計に向けた確実な結合とやさしい分解」/研究課題「オンデマンド合成&解体を実現するビニルポリマーの高速分解技術」

アクリルガラスを高純度でリサイクルする新手法を開発

2025年09月12日 12時00分更新

文● 中條将典

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 環境汚染や化石資源の枯渇などの問題を背景に、プラスチック廃棄物をリサイクルする技術の開発が求められています。特に、分子レベルで廃プラスチックを再生する「ケミカルリサイクル」は、回収・再成形に伴い製品が劣化する従来のリサイクルに代わる手法として期待されています。透明なアクリルガラスとして広く使われているポリメタクリル酸メチル(PMMA)は、加熱によりモノマーと呼ばれる構成分子の最小単位であるメタクリル酸メチル(MMA)に分解することができますが、400~450度という高温が必要でした。

 信州大学学術研究院の髙坂泰弘准教授らの研究チームは、共重合により熱分解しやすい変性アクリルガラスを開発しました。モノマーの成分はMMAが95モルパーセント、メタクリル酸トリチル(TMA)が5モルパーセント。減圧して270度に加熱すると、モノマーであったMMAのうち95パーセントを回収できました。さらに、同技術を応用して、市販のアクリル板からも同様のケミカルリサイクルが実現できることを実証しました。

 変性アクリルガラスはPMMAと同様、通常のバルク重合や懸濁重合で合成でき、成形加工性や樹脂特性を維持したまま、低温でのケミカルリサイクルを実現します。これにより、アクリルガラスの新たなリサイクル手法へとつながることが考えられます。

MMA95モルパーセント、TMA5モルパーセントで製造した変性アクリルガラスを反応容器に入れて25度から270度まで減圧加熱した後、液体窒素で冷却していた容器を常圧・室温に戻すとMMAが得られる。

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