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セゾンテクノロジーの「HULFT Square」で外付けの基幹システム群を形成

SAP「2027年問題」に向け国産ソフトベンダーがタッグ iPaaSを中核に周辺機能をオフロード

2025年08月26日 10時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 2027年末に迫る「SAP ERP 6.0」の標準保守の終了。いわゆる「2027年問題」における国内企業のマイグレーション需要に応えるべく、国産ソフトウェアベンダーが手を組んだ。

 セゾンテクノロジーは、2025年8月22日、SAPユーザーのERPモダン化支援のために、ウイングアーク1stとエイトレッド、サイボウズの3社と協業したことを発表した。協業では、セゾンテクノロジーのiPaaS「HULTFT Square」を共通連携基盤に、周辺機能を各SaaSにオフロードする戦略を採る。

 セゾンテクノロジーの取締役 常務執行役員 営業本部長である石田誠司氏は、「ERPの成功例は、北米含めてまだまだ少ないと言われている。アドオンの問題があり、(ERPの標準機能に業務を合わせる)Fit to Standardを推進するなど、ベンダーもユーザーも課題意識を持っている。国産のソフトウェア勢でどう成功裏に導けるかという議論から、今回のアライアンス強化につながった」と説明する。

セゾンテクノロジー 取締役 常務執行役員 営業本部長 石田誠司氏

ERPの課題をSaaSへのオフロードで解決、外付けの基幹システム群を形成

 今回の協業では、現状のERPの課題に対する2つのアプローチを通じて、SAP ERPのマイグレーションを加速させる方針である。

 ひとつは「アドオンの極小化」だ。ERPのカスタマイズを最小限とすることで、ERPをクリーンコアな状態に保ち、将来のバージョンアップを容易にする。

 もうひとつのアプローチが「日本固有の処理への対応」だ。「日本は入出力を始め、固有のインターフェイスがERPにフィットしないという問題を抱えている」と石田氏。捺印文化を含む承認フローや作り込まれた登録画面などの「入力」、取引先に合わせた帳票・伝票などの「出力」、さらには外字変換や2バイト対応といった「連携・変換」 ―― こうした独自の処理に対応するためにアドオン開発を余儀なくされていたが、これらを国産ソリューションに任せてしまう。

日本固有な商習慣の例

 この2つのアプローチを実現するために、セゾンテクノロジーのiPaaS「HULFT Square」を共通連携基盤に、国産SaaSを疎結合でつなぎ、ERPの周辺機能をオフロードさせるというのが、本協業の戦略である。SaaS同士も連携する、いわば外付けの基幹システム群として機能し、SaaSに関しては「ある一定のソフトウェアに“寄りかからず”に、今一番良いものを使える」(石田氏)基盤へと成長させていく予定だ。

 協業の中で連携するSaaSは、ウイングアーク1stの帳票(SVF)およびデータ活用基盤(Dr.Sum/MotionBoard)、エイトレッドのワークフロー基盤(AgileWorks/X-point Cloud)、そして、サイボウズのノーコードの業務システム開発基盤(kintone)となる。既に各SaaSは、HULFT Squareとの連携テンプレートが用意され、各領域におけるERPとの連携も豊富な実績を有している。

ERPモダン化のアライアンスの概要

 さらに、SAPのプラチナパートナーであるクレスコ・イー・ソリューションと共同で、HULFT SquareのSAP専用コネクターを開発。従来はSAP独自のRFC接続であったが、新コネクターはS/4 HANA(Public/Private)とのOdata(Open Data Protocol)接続に対応しており、2025年秋にリリース予定だ。

HULFT SquareとSAPの接続コネクター

 クレスコ・イー・ソリューションの代表取締役社長である後藤聡氏は、「古いECCのままのユーザーは1000社以上存在しており、プライベートクラウドなのかパブリッククラウドなのか、もしくは利用を止めるのかという選択に迫られている状態。そして現在の流れは、“コンポーザブル型”で正規サービスとの組み合わせが当たり前になっている」と指摘する。

 加えて、「一方でインターフェイスの部分は、現在の稼働中のユーザーでも悩みがつきない。それをHULFT Squareで解決するのが我々の方針」と付け加えた。

クレスコ・イー・ソリューション 代表取締役社長 後藤聡氏

SAP ERPマイグレーションに対するディファクトスタンダードに

 HULFT Squareを中核とした仕組みは、マイグレーションを担うSIerとっても多くのメリットがあるという。「ソリューションが揃った我々のコングロマリットを採用することで、コアであるERPのマイグレーションに専念できる」と石田氏。長引くプロジェクトの工期を短縮して、コストも圧縮でき、ユーザー企業にも利点があると強調した。

SIベンダーもSAPのマイグレーションに集中できる

 今回、座組や目指すべき考え方の発表がメインとなったが、今後は、セゾンテクノロジーが中心となり、本格的なメニュー化を進めていく予定だ。あわせて、アライアンスに加わるSaaSベンダーも募っていく。

 石田氏は、「今回のコングロマリットを、国内のSAP ERPマイグレーションにおけるディファクトスタンダードにしていきたい」と展望を語った。

(左から)ウイングアーク1st執行役員 CMO 久我温紀氏、クレスコ・イー・ソリューション 代表取締役社長 後藤聡氏、セゾンテクノロジー 取締役 常務執行役員 営業本部長 石田誠司氏、エイトレッド 代表取締役社長 岡本康広氏、サイボウズ 執行役員 営業本部長 清田和敏氏

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