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BF4と同じ現代戦だが、戦闘や技術は大幅に進化している

香港イベントでBF6のDICE開発陣インタビュー「〝破壊”をうまく使った、開発も想定外な戦い方を楽しみにしている」

文●八尋 編集●ASCII

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ただ破壊するだけでなく、それが新たな道や戦術に

本作では、建物の壁や床が破壊できます。ただ壊すというわけではなく、新しい道を切り開いたり、奇襲に使ったりと、戦略に組み込めるのが特徴です

──今回建物の破壊というのが大きな特徴だと思いますが、ある程度破壊できる建造物やその一部に基準があると予想しています。もしあるとしたらどのような基準を設けているのでしょうか。

Jac氏:マップをデザインするときに、優先順位を高くとらえたのはプレイヤーの楽しさをどう最大化するかです。その中で、壊れる壁と壊れない壁のバランスをとるのは、1つ重要な判断基準でもありました。すべて壊れてしまうと、本当にフラットなマップになってしまいますので、それは避けたかったです。そのうえで、BF6のマップの中にはたくさん壊れるビルや建物がありますので、十分破壊を楽しんでいただけると思っています。

Anna氏:もう1つ心がけたのは、破壊するというは、ただその部分がなくなるというわけではないです。例えば壊したときにがれきの山ができて、そのがれきが現れたからこそ、その上から敵を急襲できるという場面も出てくると思いますし、ある特定の壁を壊すことで、2階から下に降りることができるといった場面もあると思います。そういった新しい形の道ができるということもあります。ですから、何かを壊すということは何かが生まれるということでもあります。それが、新たなプレイやプレイの道が生まれるように設計しました。

──今回、広いマップと狭いマップどちらもあると思いますが、なぜ両方作ろうと思ったのかと、広いマップ狭いマップそれぞれこだわった点があれば教えてください。

Anna氏:プレイヤーに対して、バラエティーが豊富な体験をしてほしいと思ったからです。ビークルでも、広いマップと狭いマップであれば体験が変わります。そういう意味でも、近接戦闘が向いているマップもあれば、そうでないマップも用意しています。

広めのマップもあれば

狭めのマップもある

Jac氏:やはりバラエティーも大事だと思いまして、大きい枠もあれば小さい枠、中間もありますので、そのなかで色々な楽しみ方ができると思います。実はこのプロジェクトの初期の段階でまず私たちが考えたのは「そもそも良いマップとな何か」です。この部分にかなりの時間を費やしました。色々な細かい要素を調べたあとに、1つのエリアとして全体的にプレイヤーがどう動くかなども想定したうえで、1つの背景を制作してきました。

Anna氏:たとえ同じマップであっても、モードが違えば全然感じ方が違ってくると思います。そのため、実際にプレイいただければ、大小のマップどちらも特徴的だということが分かってもらえると思います。そういう意味でも、いろいろなサイズのマップを用意したほうがいいと考えました。

多くのプレイヤーに遊んでもらって、そのデータから調整を重ねる

4つのクラスが復活した

──今回、4つのクラスが復活して大変うれしく思っています。実際にプレイしてみると、広いマップだとバランスよく4つのクラスのプレイヤーがいましたが、狭いマップでチームデスマッチというルールだと、アサルトとサポートが多く、エンジニアとリコンはほとんどいないという状況がありました。これは、今の段階では想定されていたことでしょうか、それとも今後調整が必要なことだと考えられますでしょうか?

Jac氏:今回の機会でたくさんの人に遊んでもらって、そういう傾向が表れたかもしれませんが、今後もより大きな規模でもテストして、データを見ながら方針を決めていこうと思っています。ここまでたくさんの社内テストも実施してきましたが、リリース後は多くのプレイヤーの皆さんに遊んでいただいて、実際に皆さんがどのように動いているのか、バランスは保たれているのかを見ながら調整を加えていきたいと思います。ただ、ここで1つ言えるのが、例えばエンジニアが少ない、アサルトが多いというのは一概に悪いとこではないと思います。もしかしたらモードによってはいいことかもしれません。マップでもそうです。そういった色々な要素やゲームの状況を見て、もしくは目的のためにクラスが偏る必要がでてくるかもしれません。ゲームにとって大事なのは、やはり常に進化していくことだと思います。そして、それに基づいて色々手を加えていくことだと思います。

──オープンベータの推奨スペックがGeForce RTX 3060と、昨今高負荷なタイトルでいえばもっと推奨スペックが高い中で、BF6はそこまで高負荷ではないなと感じています。とはいえ実際にプレイしてみると、すごく没入感を感じました。これは、どういったことが起因していると思いますか?

Tanaka氏:難しい質問なんですけど、ゲームの実際の開発環境では、一番低い環境に合わせてしっかりパフォーマンスが出るようなアセットを作ります。今回は、PlayStation 5でも60fpsがしっかりと出るアセットの作り方をしています。推奨スペックがGeForce RTX 3060なのがどういった理由なのかというのははっきりと答えることができませんが、こういった調整の結果として、PCでは120fps出るようなパフォーマンスになったということだと思います。

Jac氏:開発の当初から異なるスペックレベルで私たちが何を求めるのか、何をしたらいいのか、どういったゲームをしたいのか、かなり細かいところまで分析して作業を行ないました。そこは私たちがとても大事にしているところです。

開発者も想定外な戦い方を模索してほしい

──BF6はユニークな戦い方を楽しめるゲームだと思うんですけど、どういったことをプレイヤーに期待していますか?

Tanaka氏:個人的にはC4をうまく使って、やっぱり見ていて楽しいですし、クリエイティブな戦闘ができるのが魅力なので、それを感じさせてくれるような戦いをしてほしいなと思いました。昔だったら、ジープに地雷を積んで突っ込むみたいなプレイがあったと思います。そういった面白いプレイをたくさんみたいですね。 Jac氏:田中さんに同意ですね。私から伝えたいのは、ぜひ開発陣を驚かせるようなプレイをしてほしいです。BFはサンドボックスなので、色々なことが試せます。私自身、社内で多くのプレイを見てきたつもりですが、それをプレイヤーの皆さんはおそらく超えていくと思いますので、クレイジーなプレイがもっとみたいですね。

Anna氏:私が期待しているのは、戦術的な破壊をうまく使ってほしいということです。状況によっては床をぶち抜いて逃走したり、逆に敵に奇襲をしたりといった、必要に応じた破壊によるプレイというのを見てみたいです。

Tanaka氏:BFは、倒されたときに少し笑っちゃうような、これは悔しいというより面白いといったやられかたをすることがしばしばありますよね。そういうのも、BFシリーズの魅力かなと思っています。

──ありがとうございました。

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