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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第190回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 6月21日~6月27日

日本企業のDXには“成果を測る指標”が足りない/アジェンダ、スキーム、KPI… 横文字多用文化は「一体感」も生む? ほか

2025年06月30日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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[サービス] 国内のサービス市場は8.8兆円規模、コンサルティングや構築が牽引して成長(IDC Japan、6月23日)
・2024年の国内サービス市場、前年比7.2%増の8.8兆円規模に成長
・プロジェクトベースのサービス(コンサル、構築など)が10%超の伸び、成長を牽引
・2024~2029年の年平均成長率は6.7%と予想、2029年には12兆円を超える規模に

 ITサービス市場やビジネスサービス市場を含む、国内サービス市場の規模予測。2024年は、前年比7.2%増の8兆8166億円と堅調な成長。プロジェクトベース市場(コンサルティング・構築系)が、デジタル化に向けた変革支援、クラウド移行やモダナイゼーションといった需要から、同 10.4%増の3兆5728億円となって成長を牽引した。そのほか、マネージドサービス市場(運用・業務委託系)、サポートサービス市場(保守・トレーニング系)も、それぞれ堅調に推移している。

 ⇒ 今後のサービス市場拡大の中心的な牽引役となるのは「AI活用」との見込み。また、米国の関税政策の変化によるIT投資への影響には注意が必要とのこと。

2024~2029年の国内サービス市場予測(出典:IDC Japan)

[社会][SaaS] 「KPI」「アジェンダ」……ついついプライベートでも使ってしまう業界用語は??(エムエム総研、6月25日)
・SaaS業界でよく使われるビジネス用語、「KPI」「アジェンダ」「フィードバック」がトップ3
・プライベートでも使われる用語は、ほかにも「スキーム」「オンボーディング」など
・横文字の多用は「“できる人”風の演出」だけでなく「共通言語による一体感創出」も

 異業種からSaaS業界に転職した若手営業職を対象に「SaaS業界でよく聞くビジネス用語」を調査。日常業務での使用頻度が高い用語のトップ3は、「KPI」(37.0%)、「アジェンダ」(34.3%)、「フィードバック」(27.9%)。プライベートでつい使う用語のトップ3も同じ。こうしたビジネス用語文化については、「横文字が多くて“できる人風”の会話になりがち」(29.8%)という冷めた見方と同時に、「共通言語で会話が進みやすく、一体感がある」(26.5%)と肯定する声も。

 ⇒ 外資系ベンダーも多いSaaS(IT)業界の“横文字用語”文化は、他業界から見れば独特かもしれません。ただし、慣れてしまえば言い換えが面倒になる側面もあります。実際にこの調査では、「アジェンダ」「コミット」「バッファ」などは「言い換えずに伝えたい」という声も挙がっています。

SaaS業界でよく使われるビジネス用語(出典:エムエム総研)

ついプライベートで使ってしまったことがあるビジネス用語(出典:エムエム総研)

SaaS業界の“ビジネス用語文化”に対する印象(出典:エムエム総研)

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