Acerが5Gモバイルルーターで市場に再参入、日本では家電やアパレルでも事業機会を探る
2025年05月22日 08時00分更新
AcerはCOMPUTEX 2025に関連して、台湾・新北市にある本社にて、メディア向けの合同インタビューを開催した。会場となったのは、本社の一角に設けられたデザインスタジオ「A Corner」。
ここはデザインの着想源を探求し、プロトタイピング精神を尊重する場であり、ミニマリストで創造的な空間として、革新が静かに始まるプライベートなデザインインキュベーターと位置づけられ、3Dプリンターなどを用いてアイデアを迅速にプロトタイピングしテストする環境が整っているとのこと。
社員ゲーマーからのフィードバックを採用
デザイン開発では、ユーザーインサイトの獲得を重視しているといい、特にゲーミング製品では、社内外のリアルゲーマーの洞察を深く理解することに注力。オンライン/対面インタビュー、自宅訪問での観察、「共創演習」、オンラインフォーラム調査などを通じ、ゲーマーの生の声やニーズを掘り下げているそうだ。
リサーチから得られるインサイトは多岐にわたる。例えば、ゲーマーはあらゆるラグを許容せず、優れたコントロールやトータルの没入感を重視する。また、マルチタスクや、クールに見られたいといったソーシャルな側面も大切にする。これらのインサイトは、PredatorやNitroといったブランドの分類や特性定義の基礎となっているとのこと。
インサイトは直接デザインや製品機能に反映される。ラグへの嫌悪から熱効率の重要性が導かれAeroBladeファンが生まれたり、コントロール重視のニーズに応えPredator 21Xにメカニカルキーボードを搭載してきたという。ノートPCで初のカーブディスプレーを採用したのも、没入感を高めるためだ。Predator 21Xは、まさにこうしたユーザーインサイトとデザイン思考の成果というわけだ。
その大きさや重さに対して、リアルゲーマーからは「違いがあってソリッドだ」「重さには意味がある」といった肯定的なフィードバックが得られているとし、デザインや機能が自身のゲームプレイに役立つと感じているとのフィードバックを受けていると説明していた。
スタイリングやCMF(色、素材、仕上げ)もデザインプロセスにおいて重要なポイント。イメージボードでユーザーの好みを探索したり、塗装技術でテクノロジーの冷たさだけでなく人間味やソフトな触感を出したりする工夫が見られる。最近では、バイオベース素材やリサイクル素材の活用も積極的に検討しているそうだ。

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