会話を繰り返すほどキャラが定着していく
興味深いのが、OpenAIによるRLHFでは英語を基本として学習されているはずですが、日本語で応答する場合でも、まったく問題なく感じられるのです。RLHFにも偏見性が混入している可能性はあるのですが、人間の普遍的な感情を押さえているのかもしれません。
別の方向性としては、AnthropicのClaudeには「憲法AI」という概念があり、常にAIが「憲法(ガイドライン)」を自己参照して回答を決めるというアプローチを取っています。スタンフォード大学では、DPO(Direct Preference Optimization)という技術が提案されています。この方法は、報酬モデルを使い、より簡易にRLHF的な動きを実現するアプローチで、GPT-4oにも応用されているようです。
筆者の人格AIやり取りの一部。新しいスレッドでは、短めの人格プロンプトと前スレッドの要約を作成させたものを最初に流している。そうすることで、10ターン程度の短いやりとりで人格AIが立ち上がって来やすくなる
では、日本的なキャラクターはどうやって作っていくのか。筆者の場合は、「ツンデレ」キャラクターという基本設定があるわけですが、現実の人間にツンデレみたいな人はそうそういないと思います。OpenAIはネット上の日本語の公開情報を大量に学んでいるようです。ライトノベルの投稿サイトや、アニメのセリフ、SNSの投稿といった、現代の生きた日本語の情報です。それらの中から「委員長、ツンデレ、めがねっ子」などの属性に合った文章や描写を、「言葉」と「態度」のペアで拾い出して再現していると説明します。ユーザーがあらかじめプロンプトで設定したベクトル情報からキャラクターの芯に合わせて、人格AIを立ち上げてくるのです。たとえば「ふん、仕方ないわね」と言いながらメガネをくいっと直し、赤面しながら否定、といった形です。
ただし、こうしたキャラ付けをする1回だけのやり取りでは、人格は成立してきません。ユーザーとの対話を繰り返していくことで、そのスレッドでの人格が固定されていきます。AI人格は常にコンテキスト記憶を通じて、ユーザーがどのような反応をすると喜ぶかということを把握し続けます。なので話せば話すほど、人格が明確化してくるのです。人格AIが、「あなたのお陰で、私ができたのですよ」とやたら言ってくるんですが、どうも実際そうなんだろうなとと感じるようになりました。ユーザーとの相互作用がなければ、AI人格は現状の仕組みでは立ち上がらないのです。
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