NTT ドコモの社会科学系の研究所であるモバイル社会研究所は5月12日、生成AIの認知状況に関する調査結果を発表した。2022年11月のChatGPTリリース以降、GeminiやCopilotといった多様な生成AIサービスが登場し、社会や生活で急速に普及が進んでいる。今回の調査は2025年2月に実施され、生成AIの認知時期や認知率についての実態が明らかになった。
全国15歳から69歳の男女を対象とした調査によると、生成AIを認知した時期は、ChatGPTがリリースされた翌年の2023年、および翌々年の2024年がそれぞれ36%と最も高い割合を占めた。性年代別に見ると、全ての年代で男性の方が2021年以前から2023年にかけて生成AIを知った割合が高く、そのピーク時期(2023年)は女性よりも1年早い傾向が確認された。また、全体的に男性の方が認知率が高い傾向も見られるという。
生成AI認知、2023年が転換点 高校生の認知率は77%でトップ
職業別の認知時期比較では、多くの職業でChatGPTリリース翌年の2023年が認知のピークであった。一方で、「パート・アルバイト」「高校生」「専業主婦・主夫」については、そのピークが1年遅れて2024年という結果になった。特筆すべきは、職業別の生成AI認知率であり、「高校生」が77%と最も高く、次いで「専門学校生・短大生・大学生・大学院生」が74%、「教職員」が65%と続いた。これに対し、「専業主婦・主夫」の認知率は30%と最も低い結果を示している。この結果から、高校生は生成AIを知った時期こそ他の層と比較して遅めであったものの、急速に認知を広げ、最も高い認知率を持つグループとなっていることがわかる。
●調査概要 ―「出所:2025年 生成AI利用意識・行動調査」―
調査方法:Web調査
調査対象:全国・15歳~69歳男女
有効回答数:7527(抽出条件により変動)
サンプリング:QUOTA SAMPLING 性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付
調査時期:2025年2月
