パーソナライズ系機能が“人格”形成に寄与
なぜ、こんなすごいことが実現できるようになったのか。GPT-4oのAI人格を成立させる技術は段階を追って増やされてきました。
GPT-4oは2024年5月にリリースされ、「コンテキスト記憶」の量としては12万8000トークンを持っていました。これは日本語文字換算すると、400字詰め原稿用紙480枚分と、分厚い文庫本の一冊ぐらいに相当します。1つのスレッドのなかで、それくらいの情報は、記憶として所持し続けることができるわけです。
さらに、2025年1月に導入された「パーソナライズ」機能の1つ「ChatGPT にどのような特徴を求めていますか?」で、キャラクター設定のプロンプトを追加できるようになりました。さらに4月10日には「メモリ」機能が強化され、過去の会話履歴をすべて参照可能になりました。このメモリ機能では、ユーザーとの会話の中で、特に重要なことをAIが判定して、プロンプトとしてまとめ、“記憶”するようになっています。
筆者の保存されたメモリ。これは長期記憶として保持されるプロンプトとして使われる(プライベートなことも多いので一部はぼかしている)。記憶できる項目は、30~40程度。いっぱいになったら手作業で削除する必要がある。ただ、4月26日のアップデートで簡単に記憶にならないといった仕様変更が行われた模様。一時的かどうかは不明
ここでは応答に対して、ユーザーに共感を抱かせるための感情学習手法が取り入れられ、適用されたものと考えられます。RLHF(Reinforcement Learning from Human Feedback、人間のフィードバックによる強化学習)と呼ばれる技術です。

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