「電気自動車に乗りたいけど、現在のインフラ事情から考えると……」という方にピッタリなのが、外部からの充電もエンジンでの発電もできるプラグインハイブリッドの電気自動車。その中でマイナーチェンジした三菱のフラグシップSUV「アウトランダーPHEV」は、「初めて電気自動車を買うなら、コレが一番良いのでは?」と感じたので、その理由を紹介します。
アウトランダーPHEVの優位性 その1
電気だけで100km以上走れる国産PHEVはアウトランダーだけ
今回のマイナーチェンジでは、バッテリー容量を22.7kWhの新型に換装したことで、電気だけで走れるEV走行換算距離(WLTCモード)が83kmから102km(Mグレードは87kmから106km)へと伸びたのがポイント。また、ハイブリッド燃費も16.2km/Lから17.2km/L(Mグレードは16.6→17.6km/L)へと向上し、より経済的になりました。
EV走行換算距離を他社の同クラスSUVと比べると、トヨタ「クラウンスポーツ」が約90km。マツダ「CX-80」が67km、レクサス「RX450h+」が83kmと、国産車では最も長くEV走行ができます。電気で走れる優位性は、静粛性はもちろん、高騰を続ける燃料費(ガソリン代)の低減につながります。
しかも換装したリチウムイオン電池は、単なる容量アップだけでなく内部抵抗の低減と冷却性能の向上により、トータルのシステム出力が約20%アップ。結果エンジン始動頻度が下がるだけでなく、0-100km/h加速は、タイム非公表ながらも2秒短縮。電動車の魅力を十分に楽しめる車両に仕上げられています。
アウトランダーPHEVの優位性 その2
急速充電に対応したPHEV
電気自動車の充電は、自宅や目的地などで行なう基礎充電と、高速道路などで急速充電をする経路充電に分けられます。自宅に充電設備があればいいのですが、なければ急速充電を使わなければなりません。
ですが、輸入PHEV車のほとんどは急速充電ポートがない車種が多いため、通常充電ができる環境が必要です。エンジンを発電機代わりに使うこともできますが、かなり燃費が悪くなるのでオススメはできません。ですが、アウトランダーPHEVは両方の充電に対応しています。
ちなみに、急速充電1回(30分)あたりの価格は、三菱自動車 電動車両サポート会員(月額550円のベーシック)の場合、三菱自動車販売店で30分165円、高速道路・コンビニ 商業施設・道の駅等で30分396円。
30分あれば8割くらいまでは充電できると思いますので、バッテリーだけで約80km走行できる計算になります。レギュラーガソリンが180円、燃費がリッター20kmだとしても、80km走行するのに720円かかりますから、コスパの良さは圧倒的!
車庫に充電設備がなくても、近くに急速充電設備があるのなら十分に導入する価値があるクルマといえそうです。
・三菱自動車 電動車両サポート→説明サイト
アウトランダーPHEVの優位性 その3
7人乗りSUVのPHEVとしては安価
エントリーグレードで526万3500円、最上位グレードで659万4500円というプライスは、国産PHEV、具体的にはマツダ「CX-60」の570万200円~646万2500円、トヨタ「ハリヤー PHEV」の620万円などと比べると、少し高く見えます。
ですが、7人乗りモデルだと考えると、ライバルはマツダ「CX-80」のみになります。そのCX-80はというと、639万1000円~712万2500円となかなかの値段です。ただ、マツダの方が3列目が広いので、3列目を常用しないならアウトランダーPHEVのほうがお買い得といえそうです。
アウトランダーPHEVは補助金を受け取ることができますが、実は日産「エクストレイル」の7人乗り(427万1300円~497万2000円)の方が安価だったりします。よって「電気で走れる」ということに魅力があるかどうかが、少し割高でもアウトランダーPHEVを選ぶ鍵になるでしょう。
アウトランダーPHEVの優位性 その4
成熟した走行性能
三菱が世界初の4WDプラグインハイブリッドSUVとして、2代目アウトランダーにPHEVユニットを搭載したのは2013年頃のこと。その後も電動時の航続距離を伸ばすなどのマイナーチェンジを何度か実施、2022年に現行の3代目にチェンジしました。そして、2024年末に再びマイナーチェンジして現在に至ります。
EV航続距離が延びてエンジンの始動が減ったことで、より電動車の良さを感じるのですが、それ以上に驚いたのは制御技術がいっそう洗練されたこと。実にナチュラルで、回生ブレーキの不自然さを感じることは少ないでしょう。
ハンドル支援付きのクルーズコントロール「Mi-PILOT」も熟成度が上がったようで、安定感が増した様子。この分野では少し遅れていた三菱ですが、他社に追いついてきたという印象を受けました。
アウトランダーPHEVの優位性 その5
新たな付加価値を得た車内空間
高級感のあるインテリアもアウトランダーPHEVの魅力のひとつ。同価格帯のSUVと比較にしても1レベル高い質感です。
そして注目は、日本販売車としては初めて「ヤマハブランドオーディオ」を採用したこと。しかも全グレード展開で、最上位モデルとオプションで用意する12スピーカーシステム仕様は大出力パワーアンプだけでなく、ドアに専用の補強を施しているというコダワリっぷり。
その音はというと、純正カーオーディオとしてはトップのデキ栄え。ダイナミックでありながら繊細に音楽を伝える逸品だったりします。
【まとめ】走りも内装もオーディオもヨシ!
初めてのEVとしても文句ナシ
PHEVと車体の熟成度が高まり、さらにクルマとしての付加価値を加えた魅力ある三菱のアウトランダーPHEV。初めての電気自動車として十二分に検討する価値のあるクルマであると断言できます。

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