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アークシステム、乳幼児向け「非接触身長測定アプリ」の実証実験を沖縄県で実施

赤ちゃんの身長は測るのが大変! 「スマホで撮るだけ」の新アプリ開発中

2025年03月24日 16時00分更新

文● 松下典子

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 母子手帳には、「乳児身体発育曲線」というものが載っている。これは、赤ちゃんの身長と体重を記録して発育を確認するためのものだ。しかし、赤ちゃんの膝は曲がっているし、なかなかじっとしてくれない。家族に手伝ってもらいながら、できるだけ赤ちゃんを固定して測定するのだが、正確に測れているかどうか不安だ。

従来の乳児身長測定方法(2名の測定者が乳児の頭と足を保持し、測定版の間の距離を測る)

 こうした悩みを解消するため、アークシステムはAIを活用した乳幼児向け「非接触身長測定アプリ」を開発している。同アプリは、赤ちゃんを寝かせたままスマートフォンで全身を3D撮影し、AIで解析して身長を算出するというもの。測定にかかる時間は15~30秒程度で、その間は赤ちゃんをじっとさせておく必要があるが、寝ているときにこっそり撮影すればいい。これなら一人でも簡単に計測できそうだ。

非接触身長測定アプリでの身長測定(イメージ)

身長測定に用いる3次元画像(イメージ)

 測定結果のデータは自動保存され、医療機関や保育園などの測定業務の効率化にも役立つ。測定者の熟練度に左右される精度のばらつきも解消され、統計データとしての信頼性向上にも貢献しそうだ。

 一方で、医療機関等の乳幼児健診で実用化するためには、精度の向上が不可欠である。現在は、従来の測定方法で得られた身長データと、同アプリで測定した身長データを比較する形で精度の検証が進められている。その一環として、同社は沖縄実証実験支援プラットフォームを活用し、南城市と宜野湾市の乳児検診でデータを収集する実証実験を実施した。今後は、さらなる精度向上とアプリの改良を重ねて製品化を目指していく計画だ。

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