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「Oracle Alloy」採用の3社が語る、それぞれのソブリンクラウド戦略とサービス

国産クラウド+メガクラウドの“いいとこ取り”実現 NRI/NTTデータ/富士通のソブリン戦略

2025年02月20日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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NTTデータ:高セキュア/高SLA対応のOpenCanvasにAlloyの強みをプラス

NTTデータ テクノロジーコンサルティング&ソリューション分野 ソリューション事業本部 クラウド&データセンター事業部の平岡義規氏

 続いてはNTTデータのセッションだ。NTTデータは2024年10月に、ソブリンクラウドのサービス強化に向けてオラクルとの協業を発表している。

 この発表時点で明らかにしていたとおり、NTTデータでは、高セキュア/高SLA対応をうたうプライベートクラウドの「OpenCanvas」にAlloyを組み合わせて拡張し(以下、OpenCanvas Alloy)、ソブリンニーズも引き続き満たしつつ、メガクラウド(OCI)のアジリティや先進性を取り込んでいく「いいとこ取り」の方針だ。OpenCanvas Alloyは、東日本リージョンで2025年中に、西日本リージョンで2026年中にリリースの予定としている。

 セッションに登壇したNTTデータの平岡義規氏は、現在のクラウド活用ニーズが「パブリッククラウドが得意とする領域」と「プライベートクラウドが得意とする領域」の中間に拡大しつつあると指摘する。そこで、「主権に対するニーズ」と「アジリティと先進機能に対するニーズ」の両方をかなえる新たなクラウドサービスとして、OpenCanvas Alloyを提供していく。

 「OpenCanvasは、お客さまの要件を重視したプライベートクラウドとして、柔軟な運用、高水準のセキュリティ、業界閉域ネットワーク、顧客監査要件への対応といった強みを持つ。そこにOracle Alloyの強み、豊富な先進機能やアジリティを掛け合わせて、セキュアかつソブリンティの高いクラウド環境をご利用いただくことを狙っている」(平岡氏)

OpenCanvasが元来持つ強みとAlloyの強みを掛け合わせて、新たなソブリンクラウドを提供していく

 平岡氏は、「データ主権」「運用主権」「サポート」という3つの視点から、パブリッククラウド(OCI)とOpenCanvas Alloyを比較した。OpenCanvas Alloyでは、メンテナンス計画を30日前に周知するほか、顧客側からメンテナンス禁止期間を設定することも可能だ。また定期/不定期の監査対応依頼に対しては、回数無制限で対応すると述べた。

パブリッククラウド(OCI)とOpenCanvas Alloyのサービス比較

 またセッション後半では、データベースワークロードの移行支援について取り上げ、顧客意向の調査から、最適な基盤と移行方式の検討、移行計画の立案、移行の実施、性能劣化対策まで、NTTデータがプロフェッショナルサービスを通じて全面的に支援できることを紹介した。

富士通:ソブリンクラウドで「5つの主権」を重視、オラクルとも対策に取り組む

富士通 サービスインフラ事業本部 New On-premises事業部長の谷内康隆氏

 最後は富士通だ。富士通も昨年4月、Alloyを活用したソブリンクラウドの提供に向けてオラクルとの協業を発表した。

 富士通 谷内康隆氏のセッションでは、このサービスが「Fujitsuクラウドサービス powered by Oracle Alloy」として、東日本リージョンでは2025年4月から、西日本リージョンは2025年6月から提供開始予定であることが明かされた。

 現状では「ソブリンクラウド」が実現すべき主権について統一された定義は存在しないが、富士通では「5つの主権」を重視して取り組んでいるという。「テクノロジー主権」「データ主権」「運用主権」「法的主権」「セキュリティ主権」の5つだ。

 谷内氏のまとめによると、5つの主権すべてを満たすのは自社製の「FJcloud」だが、Alloyは「テクノロジー主権(技術や供給部品の選定を自社で行い、特定のベンダー製品に依存しないこと)」を除く4つの主権を実現できるという。

 「今回の新サービスは、われわれがもともとやっていた自社クラウド(FJcloud)でできなかったこと、そしてグローバルなクラウドサービス(メガクラウド)で実現できていないこと、それらをなるべく盛り込みたいというのが一番の目的であり、お客さまへの提供価値になると考えている」(谷内氏)

富士通がソブリンクラウドで重視する「5つの主権」

富士通製「FJcloud」、Alloy、一般的なメガクラウドの、ソブリンティと機能性の比較

 重要社会インフラ向けシステムに対しては、経産省とIPAが106項目からなる「重要情報を扱うシステムの要求策定ガイド」を策定している。富士通では、こうしたガイドに基づいてオラクルに多くの対策を要望し、それを達成してきたという。たとえば、オラクルが24時間365日の国内運用体制(Japan Operation Center)を構築したのも、富士通の要望に沿ったものだという。

 「こうした対策をすることで、Oracle Alloyをソブリンクラウドとして富士通が提供できると考え、オラクルと一緒に作り上げてきた」(谷内氏)

 なお、富士通ではハイブリッド/マルチクラウド環境のマネージドサービスである「Fujitsu Cloud Managed Service(FCMS)」を提供しているが、これについてもソブリン要件を満たせるよう、新たに「国内での運用人員体制を準備している」(谷内氏)と説明した。

「Fujitsu Cloud Managed Service(FCMS)」の概要。ソブリン要件を満たせる国内運用体制を準備中だと述べた

 谷内氏は最後に、具体的な顧客提案事例をいくつか紹介した。これまでベアメタルで稼働させていたOracle Databaseを、最小限のシステム更改でAlloyの「Autonomous Database」サービスに移行する事例、オンプレミスと同等の高セキュリティを維持しながら「Oracle Exadata」をクラウド型(従量課金型)の利用でスモールスタートする事例などだ。

新しいAlloyサービスを活用した顧客提案事例

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