アダルトを含めたLoRAの開発が進む
そうこうしているうちに、画像生成AI分野で最も普及しているLoRA環境を開発されているKohya TechさんがHunyuan Video用のLoRA(簡易な追加学習)環境を開発・公開しました。さらに、その専用のGUIを開発した人も現れたことで、かなり環境が使いやすくなっており、自分の思ったような動画を作りやすい環境も整ってきています。
musubi-tunerでHunyuanVideoのLoRA学習したのでとりあえず動かしてみました。
— 樺野めみは (@memiha_kabano) January 13, 2025
特にトラブルもなく学習することができました。#AIイラスト#AIartpic.twitter.com/ghUh7Zoggk
△特定のキャラクターの画像を複数枚LoRA学習させた結果、そのキャラクターを出せるようになったよう
ユーザーが開発したLoRAは動画データ交流サイトのCivitAIにもたくさん上がっており、300種近いLoRAが公開されています。アニメ風、CG風、炎のエフェクトを追加するといった画風をコントロールするものがリリースされています。ただ、投稿されているものには、実在の人物をLoRA化したものが少なくなく、法的なリスクのあるデータと考えられます。
実は、Hunyuan Video登場からすぐにアダルトビデオの画像から学習したと考えられるLoRAが公開されました。しかし、数日後に削除されました。テンセントが投降したユーザーへの削除を要請したようです。公式に何らかの立場を表明したわけではありませんが、中国本土では性的動画を作ることは法律に禁止されているということもあり、テンセントは気にしていると推測できます。ところが、さらに数日後の12月20日には第三者によって、HuggingFaceにそのLoRAが公開され、現在も公開されたままになっています。
さらに、その後、CivitAIには様々な性的なLoRAの公開が続いており、ざっと数えただけでも数十種類のLoRAが存在しています。その後、追加で削除要請がされているという情報は出ていないため、様子見をしているのかもしれません。CivitAIは登録ユーザーで、かつ、どのレベルまで表示させるのかをユーザーに選択させることでゾーニングの仕組みを整え、他の画像生成AIについても、性表現そのもののデータを排除しないスタンスを取っています。
「動画生成AIはアダルト系が出てくる」と以前から予測されていたことですが、テンセントにとっては悩ましいところでしょう。ローカルで動作するオープンモデルの場合にはユーザーの利用方法をコントロールすることは難しく、性的な動画を作りたいという強いニーズがある以上、性能が高性能であるほど、そういう分野への広がりを止めることができないためです。仮にCivitAIから排除されたとしても、別のSNSで広がっていくであろうことは容易に予想がつきます。自社のサービスイメージを毀損するリスクがあるために、どうにか歯止めをかけたいというのは本音でしょうから、今後どういう対応をしてくるのかは注目です。

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