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オシム氏の哲学を引き継ぐ元サッカー日本代表羽生直剛氏が地域活性化を目指す「AMBITION for CHIBA」

2025年01月08日 06時00分更新

文● 中田ボンベ@dcp 編集● ASCII STARTUP

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「スポーツ」と「ビジネス」の力で、日本社会の新たな成長を目指す「AMBITION22」が、「AMBITION for CHIBA」の始動を発表した。同社は、「ジェフユナイテッド市原・千葉」や「FC東京」などでプレーし、日本代表としても活躍した元サッカー選手の羽生直剛氏が代表を務める企業。同社が進める「AMBITION for CHIBA」は、千葉の活性化につながるプロジェクトとして注目を集めている。

千葉の活性化を図る一大プロジェクト

 AMBITION22が展開する「AMBITION for CHIBA」は、千葉県のスポーツチームや企業、アスリート、地域をつないで新しい価値を生み出し、千葉の活性化を図るプロジェクトだ。

 具体的には、以下の3つのカテゴリーで、新しい価値の提供を進める予定だ。

(1)スポーツの価値を最大限活用したビジネス企画・開発
 ブランディング・マーケティング支援や、スポーツに関連した事業・商品開発。また、事業戦略の立案・支援のほか、大会やイベントの共同企画・運営、コミュニケーションツール制作、スポンサードによる企業の認知向上、福利厚生支援なども行う。

(2)故イビチャ・オシム氏の哲学に基づいた組織構築・人材開発
 ジェフユナイテッド市原・千葉や日本代表を率いた故オシム氏の哲学や考えを基にした、組織構築・人材開発のサポート。故オシム氏の愛弟子である羽生代表による企業コンサルティングや講演、研修のほか、アスリートの「デュアルキャリア」支援も実施する。

(3)スポンサー制度の活用
 従来の「企業がお金を出すだけ」という形のスポンサー制度とは異なる、サステナブルなコミュニティ形成を促進。加えて、スポンサー企業同士での交流・連携など、パートナーシップの構築も進める。

 上記のように、長くサッカー選手として活躍した羽生代表が持つスポーツに関する知見と、ビジネスの力を掛け合わせ、千葉県をより活性化させる、新しい価値や取り組みを生み出すことを目標としている。

「AMBITION for CHIBA」には、ジェフユナイテッド市原・千葉、VONDS市原、房総ローヴァーズ木更津FC、オルカ鴨川FC、T2 surf academyといったスポーツクラブのほか、社会福祉法人信和会、株式会社みらいきれいの企業2社が第一弾として参画。今後、これらの企業と共同で、さまざまな取り組みが行なわれる予定だ。

スポーツ選手の価値を証明するのも目標

「AMBITION for CHIBA」を実施することになった背景について羽生代表は、「自分の経験や知識を生かすことで、スポーツ選手の価値を高め、同時に育ててもらった地域、育ててもらったクラブに恩返しをしたいと思うようになった。例えば、オシムさんから学んだチームビルディング、組織構築の考えは、一般の社会でも役立つ知識。こうした、今までの経験を生かした取り組みを千葉県で行い、結果を出すことができれば、お互いにwin-winの関係が築けるのではと考えた」

 また、「スポーツ選手の価値を証明する」というのも目標にあると話す。アスリートは、どうしても「スポーツだけ取り組んできた人」と見られてしまい、引退後のキャリアも限られてくる。

 この課題に対し、羽生代表は「元アスリートの自分が、スポーツの力を通して地域に貢献したり、社会に還元したりできれば、スポーツの価値を証明することにつながる。結果的に『スポーツ選手ってやっぱりすごい』、『スポーツっていいね』と思ってもらいたい」と目標を掲げている。

他のスポーツでも活用できる「道しるべ」を作る

 羽生代表が推し進める「AMBITION for CHIBA」が成功し、ひとつの道しるべを作ることができれば、他の地域出身のアスリートが、地元地域での地域活性化活動を行う際の参考にもなるだろう。

 実際に羽生代表も、「メソッドを確立することができれば、サッカーに限らず、他のスポーツでも同様の取り組みができる可能性がある」と話す。

 今後については、「まずは第一弾として参画いただいているチーム、企業とどのような取り組みができるのかを進めつつ、賛同してくれるスポーツチームや企業を増やし『AMBITION for CHIBA』の輪を広げていきたい。もし、我々の活動に興味のある人は、ぜひ連絡してきてほしい」とのこと。

 まだ2024年7月22日に始動したばかりの「AMBITION for CHIBA」だが、千葉県内の企業やスポーツチームからの関心は高く、すでに水面下ではさまざまな取り組みが検討されているとのこと。今後、どのような取り組みが実施されていくのか、これからに注目したい。

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