AI世代きた!海外進出ハードルもAIで越える時代
ある調査によると10代の半数以上は海外ECの利用経験があるそうだ。海外ECは手軽になったが、日本から購入できる商品はほんの一部。世界中にある無数のECサイトの多くは国外への発送や決済に対応していない。ICTスタートアップリーグに採択されている株式会社SAZOは、こうした海外通販の課題をAIで解消する越境ECプラットフォームを開発・運営している。
SAZOは、日本のAmazonや楽天で買い物をするように、海外ECサイトの商品をワンクリックで買えるショッピングサイト。独自の海外ECデータベースを持ち、日本語で商品の串刺し検索が可能。商品情報は日本語と日本円で表示し、関税と送料を含めた料金が提示される。日本への発送・決済に対応していない通販サイトの商品は、SAZOの現地拠点で購入代行して検品後に発送してくれるので安心だ。2024年5月に韓国商品のショッピングサイトとしてオープンし、順調に売り上げを伸ばしている。今後は日韓の双方向輸出に対応し、2025年にはグローバル展開する計画だ。
同社の強みはAIに関する技術力にあり、商品のデータ収集や翻訳、関税・送料の自動計算はもちろん、経営や営業活動にまでAIをフル活用しているという。というのも、同社は名古屋工業大学出身のエンジニアで構成されており、事業を始めた当初は経営や営業の知識がなく、韓国での現地マーケティングに苦労したからだ。そこで、専門家の知識をAIに学習させて、現地マーケターなしで売れる仕組みの構築を目指している。例えば、海外の商品情報を自動的に読み取り、最適な広告費の算出までを自動化したり、各国の輸出入規制を学習させ、事前に認知できるようにしているそうだ。メルカリも苦戦した海外マーケティングをAIでどこまでやりきれるのか。AIを活用したマーケティングの動向にも注目したい。
文:スタートアップ研究部
ASCII STARTUP編集部で発足した、スタートアップに関連する研究チーム。起業家やスタートアップ、支援者たちの活動から、気になる取り組み、また成長・成功するためのノウハウやヒントを探求している。この連載では、総務省のICTスタートアップリーグの取り組みからそれらをピックアップしていく。
※ICTスタートアップリーグとは?
ICTスタートアップリーグは、総務省「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」を契機として2023年度からスタートした官民一体の取り組み。支援とともに競争の場を提供し、採択企業がライバルとして切磋琢磨し合うことで成長を促し、世界で活躍する企業が輩出されることを目指している。
https://ict.startupleague.go.jp/






























