スマホに追加できないなど、やや使い道が減ってきたmicroSD
その形をしたインパクト大なカードリーダーを衝動買い
日本のスマホメーカーがまだまだ元気だった10年ほど前は、microSDカードスロットを内蔵したスマホがたくさんあったが、昨今ではごく一部の機種にのみ見られるようになった。今もデジタルカメラやIoTデバイスなどでは採用されているが、スマホワールドに限れば徐々に減っている感が強い。
理由はいろいろありそうが、本体内部ストレージの大容量化とコストダウン、クラウドサービスの充実、防水機能との整合性の難しさなどだろう。ユーザーデータの継承性だけをみれば簡単便利ではあるので残念ではある。フロッピーディスクほど急激ではないが、今後は徐々に時間をかけて限定的な用途に絞られてくる気がする。
そんなmicroSDスロットが無くなってしまったスマホのデータバックアップ、パソコンへのデータ移行などに使いやすい高性能な「TF Card Reader With TF Card Appearance」(TFカード外観のTFカードリーダー)という周辺デバイスをtemuで見つけて、脊髄反射衝動買いをやってしまった。価格は1391円という超お得な価格だった。
あまりのバカバカしさとその企画力に脱帽した
英文の商品名を見る限り、正確に商品機能を表わしてはいるがかなり硬派なので、ここでは「なんちゃってmicroSD風リーダー」と勝手に命名させていただくことにした。
商品が届いてすぐにパッケージから取り出して、そのあまりのバカバカしさに驚くと同時に、こんなのを真面目に企画・製造・販売してしまう頭の柔らかい発想力と、そのスピーディーな行動力に脱帽した。
メーカーのbudiは日本国内でも有名で、ネット通販や秋葉原のストリートでmicroSDカード系の何でも入りのワンストップ型キッティングデバイスを販売している。今回ご紹介するなんちゃってmicroSD風リーダーは、その最新の楽しさと便利さを兼ね備えた周辺機器の逸品だ。
筆者は届いてすぐにSNSで、「budi TF Card」の「Card」だけをレタッチで消した写真をアップして“64TB MicroSD”という注釈をつけ、ガキっぽい自慢をしてしまった。そんなおバカなお遊びをついついしてみたくなるほどに楽しい仕上がりだ。
以前このコラムでもご紹介したゲートロンの巨大「キースイッチ・カプセルトイ」に通じるものがある(「ゲートロンの巨大「キースイッチ・カプセルトイ」を衝動買い」)。
筆者の知る限り、この手の実用的でジョーク満載の商品が日本から登場したことは、ここ10年ほどを見ても皆無だ。ビジネスモデル構築だけで疲れ果てて、商品の企画者に心の余裕や遊びのマインドが無くなりつつあるのだろうか? そしてマネジメントに心の余裕が無いのかまったく残念な“気”の衰退期に入ってしまっている感じだ。
サイズはすごく大きいが、形状はmicroSDカードそのもの
なんちゃってmicroSD風リーダーは表から見ても裏から見てもほぼ完璧に本物のmicroSDカードをしている。
冒頭で書くべきだったが、海外では商標名である「microSD」のような表記はあまり見ることがなく、その前身となった「TFカード」(Trans FLash Card)と呼ぶのが一般的だ。長いうんちくと歴史を別にすれば、機能的にはほぼ同じなので、気にする必要はない。「TFカード=microSDカード」という理解で問題ない。
今回のなんちゃってmicroSD風リーダーと本物のmicroSDカード本体を比較してサイズを比べてみるとなんちゃってmicroSD風リーダーは中にさまざまな秘密が隠されているので表面積比に比べてかなり分厚い(90×66×13mm)イメージだ。
なんちゃってmicroSD風リーダーのふたを持って手前から開いてみると、番号が振られた7枚のmicroSDカードを収容できる空きスロットが見える。そしてリーダーとしてパソコンやスマホなどのUSBポートに接続するために22cmの短いType-CーType-Cケーブル、Type-CーType-Aアダプター、カードリーダーからのmicroSDカードの取り出しにも使えるSIMピンまで内蔵している。
なんちゃってmicroSD風リーダーのメイン機能は商品名にもある「microSDカードリーダー機能」だ。TF1~TF7までは単なるmicroSDカードの保管ホルダーなのだ。
そして8番目の右下のスロットは、ケーブルで接続したスマホやパソコンで挿入したmicroSDカードをリードライトするためのスロットだ。付属のSIMピンを使わずとも爪先でもmicroSDカードの挿抜はできるが、いずれにせよスプリングでmicroSDカードを飛ばされてしまわないことが重要だ。
出荷時の状態ではなんちゃってmicroSD風リーダー側のUSB Type-Cケーブルのプラグが一番奥まできちんと入っているかどうか確かめた方がいいだろう。今回のケースではプラグがきちんと奥まで入っていなくて当初読み書きができず、気づくまでにちょっと時間がかかってしまった。
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