総務省は12月5日、「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドラインの改正案」に対する意見募集(パブリックコメント)の結果と、寄せられた意見に対する同省の考え方を公表。そのなかで、ソフトバンクが端末下取り規制について、総務省の方針に異を唱えていたことがわかった。
中古価格相場とフリマ取引価格の乖離を指摘
同省が提示した「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドラインの改正案」では、通信事業者がユーザーのスマートフォンを下取りする際の買取価格について、国内の中古端末事業者が加盟する団体「リユースモバイル・ジャパン(RMJ)」が提示する金額を基準とするよう求めている。
これに対しソフトバンクは、「RMJが公表する買取平均額が一般的な買取価格といえるだけのシェアをもっているか不透明」「中古端末事業者の買取価格はフリーマーケット市場における取引価格より安いため、利用者利益を損ねる懸念がある」など、総務省案には複数の問題点があると指摘。改善策としてRMJのデータの正確性や客観性を第三者が検証するプロセスの早急な構築を提案するとともに、プロセスの整備が完了するまでは、各通信事業者が合理性のある範囲で独自に買取価格を設定する従来のルールを維持すべきと主張した。
さらに同社は、前述した中古端末事業者の買取価格とフリーマケット市場の取引価格の乖離を踏まえ、今後、フリーマケット市場の取引価格を基準として用いることも検討するよう総務省に求めている。
一方、総務省は同社の意見に対し、「頂いた御意見については、必要に応じて今後の政策検討の参考とします。」と回答。同省が本件と同時に発表した新ガイドライン(12月26日から適用)でも、下取り価格に関するソフトバンクの意見や改善案は反映されていない。