x86は死んでない。インテルのパット・ゲルシンガーCEOが、レノボのイベントで発したこのコメントに、かなり驚いた(関連記事:Intel・AMDのCEOがそろって「x86は終わっていない!」 レノボ年次イベントでスピーチ)。インテルは身売り報道が出ていた矢先ということもあり、火消しよりも、むしろ不安をあおっているような気もした。
x86と言えば、現在のPCで標準的に用いられているCPU設計。私がアスキーに入った四半世紀以上前はx86プロセッサーはすでに当たり前の存在であり、2000年代には商用UNIXがカバーしてきたサーバーにまでその領域を拡大した。しかし、スマホの台頭とともにARMの需要が急速に拡大し、従来x86がカバーしてきた領域にも浸食してきたのはご存じの通り。積年のライバルであるAMDとともに、x86の健在さをアピールするなんて、数十年前は考えられなかったことである。
でも、マイクロソフトがWindowsとOfficeの会社からクラウドとAIの会社に脱皮したように、x86陣営もちょうど脱皮の最中なんだと思う。サーバー領域への進出、OSの64ビット化、増え続ける電力消費など、さまざまな荒波を乗り越えてきたインテル・AMD。拡大し続けるAIに向けた試行錯誤の末に、次世代の企業に生まれ変わっているはず。絶対的な王者でなくなったからこそ、両社の底力と挑戦を見てみたい。
文:大谷イビサ
ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。

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