KDDIは、2024年11月7日、セキュリティ・SIサービスを展開するラック(LAC)を完全子会社化することを発表した。TOB(株式の公開買い付け)による全株取得を目指し、買付総額は約246億円におよぶ。KDDIは約32%を保有するラックの筆頭株主であった。
KDDIとラックは2007年に資本提携しており、新サービスの共同開発や、クラウド・IoT領域への拡大など、協業案件を通じてサイバーセキュリティーソリューションを提供してきた。今後は、既存事業のリソースの最適化を図ると共に、ラックのサイバーセキュリティサービスとKDDIのネットワークサービスを一体化して、コンサルティングから監視・運用まで一貫した新規サービスの展開を目指すという。
公開買付の開始は、11月下旬を予定している。買付が成立した場合はには、所定の手続を経てラックの上場廃止を見込む。
また、前日11月6日には、住友商事グループのSIer企業であるSCSKも、独立系SIerであるネットワンシステムズを、TOBにより完全子会社化することを発表。独立系ベンダーのM&Aが立て続いた。
SCSKによる買付総額は、約3600億円を見込んでおり、公開買付の期間は、2024年11月7日から12月18日まで。ネットワンシステムズの完全子会社化が完了した後に、2026年4月を期日とする両社の合併についても検討開始する。
両社の経営統合により、ネットワークやセキュリティー、クラウド、アプリケーションの提供までを一体化したデジタルサービスの展開を狙うという。統合後の注力事業としては、「デジタルインフラPaaS事業」、「オファリングサービス事業」、「データインテグレーション・利活用プラットフォームサービス事業」の3点を挙げている。