途上国支援に井戸や学校はいらない!?スマホがアフリカの貧困を救う
デジタル化が進み世界が発展する一方で、情報格差による貧富の差が広がっている。この問題解決に挑むのがICTスタートアップリーグに採択されている株式会社Dots forだ。同社は水道や電気も通っていないアフリカの農村エリアで、無線通信環境と格安スマホを提供する通信サービスを展開している。
スマホを手に入れた村人たちは職業訓練動画でスキルを学び、マーケットプレイスで資材を購入、商品の販売ができるようになった。塗装業を営む村人は、新しい塗装技術とネットよる宣伝効果で収入が80%アップしたという。次のステップとして外国語習得のコンテンツを配信し、先進国からの仕事を獲得することで都市部レベルの生活水準への引き上げを目指しているそうだ。
確かにインターネットが使えれば、あらゆるモノや知識が手に入る。水道や発電方法をネットで調べて自力で作ることは不可能ではない。そう考えると、途上国の自立支援には、井戸堀りや学校建設よりも通信インフラ整備は有効かもしれない。ただし、仕事をさぼって動画ばかり見るようになるなどの弊害もあるだろう。インターネットをうまく使いこなして暮らしがよりよい方向に変わることを願うばかりだ。
文:スタートアップ成功哲学研究部
ASCII STARTUP編集部で発足した、スタートアップに関連する成功哲学の研究チーム。起業家やスタートアップ、支援者たちの活動から、日本のスタートアップが成長・成功するためのノウハウやヒントを探求している。この連載では、総務省のICTスタートアップリーグの取り組みから成功哲学をピックアップしていく。
※ICTスタートアップリーグとは?
ICTスタートアップリーグは、総務省「スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業」を契機として2023年度からスタートした官民一体の取り組み。支援とともに競争の場を提供し、採択企業がライバルとして切磋琢磨し合うことで成長を促し、世界で活躍する企業が輩出されることを目指している。
https://ict.startupleague.go.jp/