このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

雑談、お絵かき、DJ、コーディング……拡大し続けるコンテンツを支えるプロダクト担当幹部に聞く

ゲーム実況だけじゃないTwitch、世界700万人のストリーマーをどう盛り上げている? TwitchConで聞いた

2024年10月31日 15時30分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

TwitchConで発表された3つの新機能

――今回のTwitchConで発表された、最新の機能強化について教えてください。

フォレスター氏:TwitchConではいくつもの新機能を発表したが、主要な発表3つを簡単に紹介しよう。

 まずは「モバイルアプリの改善」だ。フィードに「ディスカバリー機能」を導入したことで、ユーザーが新しいコンテンツを見つけやすくなった。また、自分がフォローしているコンテンツの表示方法を改善し、以前見たストリームを簡単に探せるようにした。

 2つめはクリップ機能の強化だ。クリップは、Twitchのストリーマーが配信のハイライトシーンをまとめた60秒の動画を作成できる機能で、作成したクリップはTikTokやYouTube、X(Twitter)などで簡単に共有できる。

 今回は特に、モバイルアプリのクリップ体験を改善しており、モバイルでもクリップの作成や管理、検索が容易にできるようになった。ソーシャルメディアへの共有も改善されており、配信が終わった後、そのストリームからベストな部分を自動的に10個作成して、簡単に共有できる。

 3つめは「Shared Chat」という新機能だ。複数人のストリーマーが一緒に配信を行うとき、これまではストリーマーごとにチャットが存在したので、視聴者は会話の流れを追うために、それぞれのチャットをチェックしなければならなかった。

 新しいShared Chatでは、一緒に配信を行うストリーマーのチャットが共有(統合)されるので、会話がひとつに集約される。これにより、ストリーマーと視聴者、さらに視聴者どうしの交流が促される。

今後のプロダクト開発の方向性は“モバイル/コラボ/コンテンツ共有”

――あなたが率いるコミュニティプロダクトチームでは、ストリーマー向け機能と視聴者向け機能のどちらを優先させているのですか。

フォレスター氏:われわれは主にストリーマー向けの機能開発にフォーカスしている。Twitchコミュニティの中心にいるのがストリーマーであり、ストリーマー向け機能を強化することは、結果的に視聴者にもメリットをもたらすと考えている。

 もちろん、機能開発はバランス良く行わなければならない。そこでわたしのチームは3つの領域に分かれており、四半期ごとにどこへ注力するかを調整している。

 (1)視聴者がコンテンツを見つけるための機能(推奨システム、AI、検索など)
 (2)ストリーマーと視聴者の交流を促進する製品(主にチャット機能)
 (3)クリエイター向けの製品(分析ツール、成長支援ツールなど)

――今後のプロダクト計画について教えてください。

フォレスター氏:先ほど説明した3つの発表にも見られる方向性に変化はない。「(1)モバイルアプリ」「(2)コラボレーション」「(3)ショート(短編)コンテンツの共有」を中心に機能強化を続けていく。

 まず(1)について。かつてはPCの視聴者が多かったTwitchだが、現在では新規ユーザーの70%がモバイルで視聴するようになっている。そのため、モバイル体験の向上は重要だ。ストリーマー縦画面(モバイル向け)・横画面(PC向け)の両方で同時に配信できる機能を提供し、視聴者が好きな方法で視聴できるようにする。

 (2)では今回Shared Chatを導入したが、ストリーマーどうしのコラボレーションをさらに促進していきたい。コラボレーションを通じてできることを増やしていくことを考えている。

 (3)のコンテンツ共有が増えることは、ストリーマーとTwitchの双方にメリットをもたらす。今回はクリップの共有機能を強化したが、今後も同じように、ストリーマーが自分の配信からベストな瞬間を切り取り、ソーシャルメディアで共有しやすくなるように機能を開発していく。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ