従来モデルのSamsung製NVMe M.2 SSD「990 EVO」は、DRAMキャッシュレスのコスパモデルとして今年の1月に登場。シーケンシャル速度はリード最大5000MB/s、ライト最大4200MB/sと、旧モデルとなる「970 EVO Plus」から40%以上も高速化されていたのが特徴だ。
990 EVOは、1TBモデルで1万円台前半と手の出しやすい価格ということもあり、信頼できるSSDを探している人にとって、悪くない選択肢となってくれていた。
ただし、同価格帯の他社製品では、リード7000MB/sというのも珍しくなく、性能面で見劣りしてしまうのも事実だ。信頼性重視でSamsung製のSSDを選びたいけど、価格性能比を考えると決め手に欠ける……そう思っていた人も多いことだろう。
今回登場した「990 EVO Plus」は、この不満の多かった速度面を大幅改善。シーケンシャル速度でリード最大7250MB/s、ライト最大6300MB/sと、それぞれ45%、50%もの高速化を果たしているのだ。
この新型SSDについて、詳しくチェックしていこう。
新型コントローラーと第8世代V-NANDで速度アップ
速度が大きく向上したのは、5nmプロセスで製造される新型コントローラーと、第8世代V-NANDを採用したことが大きい。とくに第8世代V-NANDは、236層もの積層構造による高密度化、NANDインターフェースの高速化が行なわれており、高速化や大容量化に大きく貢献している。
実際、990 EVOの2TBモデルでは2チップ構成だったNANDが、990 EVO Plusでは1チップへと変更。さらに、2チップ構成の4TBモデルまで、ラインアップに追加されている。
新型コントローラーには、熱対策としてニッケルコーティングされたヒートシールドを装備。電力効率も見直され、高速でもより安定した動作が可能となっている。
基板の裏面にはチップは搭載されておらず、そのかわり、もうひとつ熱対策としてヒートスプレッダーとなるラベルが貼られている。これは銅箔層のあるラベルで、これにより、放熱効果が高められているわけだ。
ニッケルコーティングのヒートシールドや、ヒートスプレッダーラベルは、上位モデルとなる「990 PRO」でも採用されている技術。普及モデルとはいえ、本気で熱対策に取り組んでいるというのがわかる。
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