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最新パーツ性能チェック 第452回

Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証

2024年10月26日 11時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

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Core Ultra 9 285Kが輝くゲームも発見

●『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』
 ゴッド・オブ・ウォー ラグナロクは画質“低”、アップスケーラーやフレーム生成はオフ、アンチエイリアスはTAA(テンポラル)に設定。新ゲーム開始直後、レールライド風に犬ぞりで移動するシーンにおけるフレームレートを計測した。

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク:1920×1080ドット時のフレームレート

 ここまで見てきたゲームとは異なり、Core i9-14900Kがトップに躍り出た。Ryzen 7000X3Dシリーズはやや伸びきらない結果だが、Ryzen 7 7800X3Dは最低フレームレートも高く1CCD仕様の強みが表れている。肝心のCore Ultra 200SシリーズはRyzen 9000シリーズより少し高いパフォーマンスを示すなど、ゲームによってはそこそこの結果を出せることが確認できた。

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク:ベンチマーク中のCPUおよびシステム全体の消費電力(平均値)

 Core i9-14900Kは仕事をしているぶん消費電力が大きくなっているが、CPU10Wあたりのワットパフォーマンスで考えるとCore i9-14900Kは約22fpsなのに対し、Core Ultra 9 285Kは38fpsと2倍近い。

●『Starfield』
 Starfieldでは画質プリセット“低”、レンダースケールはFSR 3“バランス”相当の58%、フレーム生成は無効に。都市ニューアトランティスのMAST地区を移動する際のフレームレートを計測した。

Starfield:1920×1080ドット時のフレームレート

 Ryzen勢の結果がガチャガチャして見辛いが、これは1CCDあたり6基のRyzenだと、フレームレートが伸びないというStarfieldの特性によるもの。そしてこのゲームではCore i9-14900Kを筆頭とした第14世代も健闘している。肝心のCore Ultra 200Sシリーズは、Ryzen 9000シリーズよりも最低・平均フレームレートともにやや高い値を示している。

Starfield:ベンチマーク中のCPUおよびシステム全体の消費電力(平均値)

 これまでのゲームにおいて、Core Ultra 200SシリーズにおけるCPUの消費電力は50~70W程度と控えめな値を示していたが、Starfieldでは倍近い消費量を示している。それでも前世代のCoreプロセッサーと比べると半分程度で収まっているので、絶対的なフレームレートにおいて前世代は超えられないが、ワットパフォーマンスでは十分超えているということがわかる。

●『SILENT HILL 2』
 SILENT HILL 2は画質を“低”、レイトレーシングやアップスケーラー、フレーム生成は一通りオフに設定。新規ゲームスタート直後、展望台から最初のセーブポイントの先にあるカットシーン直前までのフレームレートを計測した。

SILENT HILL 2:1920×1080ドット時のフレームレート

 このゲームは先に検証したBlack Myth: Wukongに近い傾向が見られる。すなわちGPUボトルネックが強めでCPU(特に3D-V Cache)の違いが出にくい。ただわずかではあるが、Ryzen 9000シリーズ、特に1CCD仕様のRyzen 7 9700Xが有利な印象だ。Core Ultra 200Sシリーズは前世代のCoreプロセッサーと平均フレームレートでは大差ないが、最低フレームレートの出方において明らかに改善している。

SILENT HILL 2:ベンチマーク中のCPUおよびシステム全体の消費電力(平均値)

 消費電力の傾向はこれまで通り。Ryzen 7000X3Dシリーズはシステム全体の消費電力も低いことから、これもGPU側がボトルネックになりやすい事を示唆している。

●『Mount & Blade II: Bannerlord』
 Mount & Blade: Bannerlord IIでは画質“Low”設定、アンチエイリアスはFXAA、さらにBattle Sizeを最大の1000に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。

Mount & Blade II: Bannerlord:1920×1080ドット時のフレームレート

 コア数勝負になりやすいテストだが、PコアにSMTという便利な飛び道具のないCore Ultra 200SシリーズはCoreプロセッサー(第14世代)に対し十分健闘しているどころか、わずかに最低フレームレートで上回る(誤差と言えなくもない差だが)など、健闘している点に注目。

Mount & Blade II: Bannerlord:ベンチマーク中のCPUおよびシステム全体の消費電力(平均値)

 このゲームもStarfield並に電力を食う。Core Ultra 9 285KはCore i9-14900KやRyzen 9 9950Xなどと比べても消費電力が低く抑えられている点は多いに評価したい。

●『Cities: Skylines II』
 最後に試すのはCities: Skylines IIだ。画質“最低”、アンチエイリアスはFXAAに設定。アップスケーラーも“無効”とした。人口60万人弱の都市を用意し、フライバイ的な視点に設定したカメラをマップの端から端まで移動した際のフレームレートを計測した。ゲーム中の時間を動かし、さまざまなシミュレーションが動いている状態でフレームレートを計測している。

Cities: Skylines II:1920×1080ドット時のフレームレート

 ようやくCore Ultra 200SシリーズがCINEBENCH 2024のように輝くゲームが見つかった、という感じの結果になった。Core Ultra 9 285KとCore i9-14900Kの差はわずかだが、ゲームと状況によっては前世代CPUを抜くことができる。ただCore Ultra 7 265KとCore Ultra 5 245Kに関しては、前世代の同格モデルに対し若干負けているので、この辺りは純粋なコア数不足が足を引っ張っていると考えられる。

Cities Skylines II:ベンチマーク中のCPUおよびシステム全体の消費電力(平均値)

 今回インテル製CPUに関してはPerformance Profileで電力制限を科しているが、それでもCore i9-14900KやCore i7-14700Kの消費電力は非常に大きい。Cities Skylines IIの処理がいかにCPUバウンドであるか、この消費電力データが示している。消費電力の傾向についてはこれまで観測してきたデータ通りといえるだろう。

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