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NRI、富士通に続く国内3社目のAlloyパートナー、その狙いを語る

NTTデータの「Oracle Alloy」採用、背景には「ソブリンニーズの変化」

2024年10月28日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 NTTデータが、金融・公共向けのクラウド基盤サービス「OpenCanvas」のサービス拡張を目的として、オラクルの「Oracle Alloy(アロイ)」を採用すると発表した。

 日本オラクルが2024年10月24日に東京で開催した「Oracle Cloud Forum」では、基調講演にNTTデータ 執行役員 テクノロジーコンサルティング事業本部長の新谷哲也氏が登壇。Oracle Alloyを採用した背景にある国内市場でのソブリンクラウドに対するニーズ変化、またグローバル展開も含めた今後のサービス拡張方針を語った。

NTTデータによる「OpenCanvas」拡張の方向性。ソブリンニーズに対応する従来のクラウドサービスに、Alloyを用いた先進的なクラウドサービスを追加する

日本オラクル株式会社 取締役 執行役 社長の三澤智光氏、NTTデータ 執行役員 テクノロジーコンサルティング事業本部長の新谷哲也氏

パブリッククラウド、ソブリンクラウドの双方で「ニーズの変化」

 NTTデータが2017年から提供するOpenCanvasは、金融機関を中心に利用されているクラウド基盤サービスである。

 OpenCanvasの特徴について新谷氏は、自社データセンターで運用することで、金融機関の厳しい要件に対応する高SLA・高セキュリティを実現しており、特別な監査要件への対応など「一般のパブリッククラウドではなかなか実現できない要件にも、柔軟に対応する」点だと説明する。2021年からは、政府・公共向けに「OpenCanvas for Government」も展開している。

 今回、同社がAlloyを採用した背景には、パブリッククラウド、ソブリンクラウドのそれぞれの領域における顧客ニーズの「変化」があるという。新谷氏は次のように説明する。

 「経済安全保障の問題もあり、パブリッククラウド側ではソブリンクラウドへのニーズが高まっている。一方でソブリンクラウド、われわれの(金融機関などの)お客様のほうでは、セキュリティを確保したうえでの積極的なAI活用、ビジネススピードに沿ったシステムの改修など、先進的でアジリティのあるパブリッククラウドのファンクションを使いたいというニーズが高まっている。ニーズの変化は“両方から”来ている」(新谷氏)

「パブリッククラウド」「ソブリンクラウド」双方の特徴を持つクラウドサービスへのニーズが高まっており、その領域をOpenCanvas+Alloyでカバーしていく戦略

 こうした市場ニーズの変化に対応するために、NTTデータではAlloyを採用して、OpenCanvasのサービスポートフォリオを拡充することに決めた。AlloyはNTTデータのデータセンター(以下、DC)内に設置され、NTTデータが運用を行い、NTTデータの独自ブランドでクラウドサービスを提供する。顧客の要件に応じて、さまざまなデータ主権レベルでのサービス提供を検討していると述べた。

 発表では、2025年1月から東日本リージョンで提供を開始し、「2030年までにOpenCanvas全体で1000億円の売上を目指す」としている。新谷氏は、そのうちAlloyで拡張するサービス分の売上は「300億円程度」を見込んでいると明かした。

 さらにその先で狙うのは、ソブリンクラウドサービスの海外展開だ。NTTデータグループには2年前にNTT Ltd.が加わり、現在ではグループ売上の約6割を海外売上が占める。またNTTグループ総計では、DC市場で世界第3位のシェアを持つという。

 新谷氏は、グローバル市場でもソブリンニーズがかなり高まっていること、NTTグループとして新たなDCの開発に注力していることなどに触れたうえで、「これまでのエンタープライズ向け、ハイパースケーラー向けのサービスに加えて、ソブリンクラウド向けという新たな付加価値を持つサービスを、グローバルに展開していきたい」と抱負を語った。

 「われわれNTTデータが持つDCやシステム運用の強み、そしてAlloyの強みの両者を掛け合わせて、お客様の新たなニーズに対応できればと考えている」(新谷氏)

NTTグループではグローバルにDCを展開している。これを活用し、ソブリンクラウドサービスの海外展開も視野に入れていると語った

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