AI医療機器開発のアイリス 生成AIによる口腔画像の高画質化に関する研究成果を発表
アイリス株式会社
生成AIを活用し、口腔画像の大幅な画質向上に成功
AI医療機器を開発・販売するアイリス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:沖山翔、以下アイリス)は、生成AI技術を活用し口腔画像の画質を向上させる研究成果を発表、その研究論文が「Biomedical Signal Processing and Control」に掲載されました。
A practical framework for unsupervised structure preservation medical image enhancement - ScienceDirect
■研究背景と口腔画像からの診断の課題
世界保健機関(WHO)によると、口腔疾患は世界で最も蔓延している病気の一つであり、35億人以上がその疾患に苦しんでいます。臨床医がこうした口腔疾患の正しい検出、診断、治療を行うにあたり、喉の画像は貴重な視覚情報の豊富な情報源となり得ますが、口腔内という特殊な環境下での撮影には手ブレやピンボケ、曇り、光の反射などによる画像の不鮮明さが課題となってきました。
従来のルールベースの手法でも、過度に明るい画像を調整して見やすくする方法はありましたが、人間が一つ一つの画像を見ながら調整する必要があり、多大な時間を要するのと、手ぶれやピンボケなどの高精度な復元が難しいという問題がありました。
■生成AIによる画像生成の進化と今後の展望
今回の研究では生成AI技術の活用によりこれらの問題を効果的に解決し、手ブレやピンボケ、曇りなどで不鮮明な口腔内画像を、鮮明で見やすい画像に復元することに成功しました。従来の生成AI技術では、復元の過程で口腔内に存在しない不自然なノイズが発生することがありました。しかし今回の研究の結果、そのようなノイズの発生を抑えるために独自の損失関数を定義し、より自然な画像の復元に成功しました。この技術により、今後はAIシステムが不鮮明で見えにくい口腔内画像を、人間にとって見やすく鮮明かつ自然な口腔内画像に復元し、診察のサポートになる効果が期待できます。
今回の研究結果は、国際的な科学雑誌Biomedical Signal Processing and Controlに掲載され、口腔診察における画像解析技術の新たな可能性を示唆するものとなりました。
アイリスでは、今後もこれまでのAIの開発経験を活かして、様々なAI医療機器の開発や研究活動を通じ、医療現場の課題が解決される未来に向けて注力するとともに、医療の進歩に貢献してまいります。
■論文情報
掲載紙名:Biomedical Signal Processing and Control Volume 100, Part B, February 2025, 106918
論文タイトル:A practical framework for unsupervised structure preservation medical image enhancement
著者名:Quan Huu Cap, Atsushi Fukuda, Hitoshi Iyatomi
■アイリスについて
「みんなで共創できる、ひらかれた医療をつくる。」をミッションに掲げ、2017年に創業。現役医師である代表・沖山をはじめ、医療従事者、厚生労働省・経済産業省ほかの行政出身者、AI医療領域に特化したデータサイエンティスト、大手医療機器メーカー出身者など多数のプロフェッショナルが揃い、深層学習技術(AI技術)を活用し、医師のもつ匠の技をデジタル化するAI医療機器を開発しています。
【会社概要】
・会社名:アイリス株式会社
・代表取締役:沖山翔
・事業内容:AI技術を用いた医療機器の開発・製造・販売及び人工知能技術の研究開発
・設立:2017年11月
・本社所在地:〒104-0028 東京都中央区八重洲2-2-1 八重洲セントラルタワー7階
・企業URL:https://aillis.jp/