Kamemaru2000, CC BY-SA 3.0
総務省は10月11日、「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」の改正案に対する意見募集を開始した。
今回、注目されているのが、端末購入プログラムに対してメスを入れてきたという点だ。SNSでは「ソフトバンクを刺しにきたのではないか」と指摘されている。
総務省、強気な「端末購入プログラム」にお冠
電気通信事業法第27条の3では、通信と端末の完全分離を掲げており、通信料金の引き下げを狙って端末価格への割引に対して制限をかけている。通信と端末のセット販売、単体購入でも4万4000円(税込み)が上限とされているのだ。
各キャリアではユーザーに高価なスマートフォンを手軽に購入してもらおうと「端末購入プログラム」を展開している。端末を分割払いで購入できるのに加えて、1年もしくは2年後に端末を返却すると、残りの支払額を免除するため、ユーザー負担額が下がる仕組みが導入されている。
ただ、この端末を下取りし、残債を免除する際、世間の買取価格と同等であれば問題ないのだが、キャリアが想定される買取価格よりも高額で返却を求めた場合、その差額分を「割引」と総務省ではとらえている。つまり、この高額買い取り分が4万4000円を超えるような設定に対して、総務省はキャリアに対して文句をつけるというわけだ。
端末販売時に1年後もしくは2年後の買取価格なんて未来のことだけに誰もわからない。そのため、買取価格の基準は各社の判断に委ねられている。
これまでソフトバンクは市場の価格よりもかなり強気に高額な買い取りを設定。これにより「新トクするサポート」において、実質24円や36円といった、現実離れした端末代金を設定したのだった。
これに対して総務省はお冠で(というか、総務省に対して他キャリアから「ソフトバンクはけしからん」と告げ口が入ったのかもしれない)、今回のガイドライン改定案で事業者が端末の買い取りを行う場合「端末の販売価格×残価率×その他考慮事項」という算出式が設定され、合理的な「買取等予想価格」を算出することと追加があったのだ。
この算出式が出てきたことで「ソフトバンクによる無茶な販売方法が塞がれた」とSNSで話題になっているのだ。
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