「RightConnect by KARTE」に生成AIを搭載開始、顧客の電話問い合わせ体験を大きくアップデート
株式会社RightTouch
SBI証券への先行導入では、選ばれやすい「その他」の回答をAIで自動振り分けし、担当者への振り分け的中率87%を達成
株式会社プレイド(東京都中央区:代表取締役CEO 倉橋健太)のグループ会社である株式会社RightTouch(東京都港区、代表取締役 野村修平/長崎大都)は、Webと電話の分断を解消し、問い合わせ体験を刷新するプロダクト「RightConnect by KARTE」(以下、RightConnect)に生成AIを用いた新機能を実装し、生成AI時代のカスタマーサポート向けプロダクトとしてアップデートいたしました。
RightConnectの利用フロー上にある事前ヒアリングにおいて、顧客(エンドユーザー)が困りごとや問い合わせ内容を自由入力した場合でも、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)(※1)で内容を適切に解釈し最適なルーティング(※2)を行うことが可能となります。
※1 OpenAI社の技術を用いて、GPT-3.5 APIを活用しています
※2 困りごとを内容に応じて適切なサポート窓口・オペレーターに振り分けること
アップデートの背景
現代のカスタマーサポート応対では、問い合わせ開始時に顧客がIVR(※3)と呼ばれる自動応答システムで問い合わせ内容を事前選択し、それに応じた窓口へ振り分けられることが一般的です。この事前確認は、特定の選択肢だけでは顧客の多様な困りごとをカバーしきれず、「その他」の選択肢が選ばれやすい傾向があります。「その他」では、オペレーターが困りごとの内容を事前に把握できないため、応対時に用件を一から確認する必要性があります。
※3 Interactive Voice Response / 音声自動応答システム
RightConnectは、Webサイト上での顧客の問い合わせ前データ(行動/属性/お困りごと等)をリアルタイムに解析し、コールセンターシステム(オペレーター)にそれらのデータを連携することにより顧客用件の迅速な把握と最適なルーティングを実現します。本アップデートでは、LLMの得意分野の一つである自然言語処理を、問い合わせプロセス上の顧客が困りごとを自由入力する部分にあてがうことで、プロダクトの価値をさらに引き上げ、電話応対の品質を高められると考えました。
アップデートの詳細
RightConnectを通じた問い合わせにおいて、顧客が困りごとを自由入力した際に、LLMでその内容を瞬時に解釈し、最適なサポート窓口を提案します。
RightConnect上で「その他」を選択した際の顧客体験の流れ
顧客にとっては伝えたいことをそのまま伝えて、最適なサポートを受けられるようになるため、より直感的にかつ迅速に問題解決を行うことができます。また、コールセンターにおいても応対品質の向上・応対時間(AHT ※4)の削減が期待されます。
※4 Average Handle Time / 平均処理(応対)時間
SBI証券での実績
SBI証券では各種お問い合わせ窓口で本機能を利用し、「その他」を選んで自由入力した顧客問い合わせの87%を正しい窓口に案内することに成功しました(※5)。そのうち60%は従来であれば適切ではない窓口へ振り分けられていたものでした。
また、オペレーターへのスキル別の着信割合にも大きな変化がありました。
スキルを高・中・低の3つに分けた場合、高スキルの減少率65%、中スキルの減少率26%、低スキルは逆の37%増加に繋がりました。
結果として、顧客にとって相談しやすい体験を維持したまま、不要な電話転送を防止し、オペレーターのスキルに応じた最適な負荷軽減が実現できています。
※5 集計期間:2024年7月1日~7月31日
株式会社SBI証券 カスタマーサクセス推進部 デジタルタッチポイント室 飯島正二氏 コメント
SBI証券ではこれまで、様々な内容のお問い合わせが舞い込む「その他」のガイダンスは、ベテランオペレーターを配置していました。年次の浅いオペレーターは限られたスキルのため、対応できるお問い合わせは少なくベテランオペレーターが常に忙しい状況でした。今回の取り組みを通じて、お問い合わせ内容に適したスキルのオペレーターへの着信ができるようになり、ベテランオペレーターの稼働を大幅に軽減できました。
正しく振り分けられたお問い合わせは約90%にのぼり、非常に信頼性は高いと感じています。
これまで控えめだった「その他」のガイダンスの露出を積極的に全面に出すことが可能となり、オペレーターが持つ本来のスキルとお問い合わせを最適につなげられることで、良質な良い問い合わせ体験、顧客体験の向上へとつなげることができています。
RightTouch代表取締役 長崎大都 コメント
RightConnectが生成AIベースでアップデートされました。本機能は、IVR(自動音声応答)の体験において「その他」が半数以上選ばれるという現状を変え、顧客のエフォートレスな問題解決を実現します。現在、カスタマーサポート領域において顧客対応に生成AIを直接的に活用する事例はまだ世の中に広まっていませんが、今後RightConnectに限らず、RightTouchの各プロダクトでも生成AIベースのアップデートを実現していく予定です。
RightConnect by KARTEについて
「RightConnect by KARTE」はお客様のお困りごとに応じて最適なオペレーターやチャネルへの接続ができる、 Webと電話を繋いで問い合わせ体験を抜本的に変革するプロダクトです。 問い合わせをするお客様の多くは先にWebサイトを見ている一方、電話応対時にその情報は連携されないため、スムーズな応対が実現できません。 Webと電話の分断を解消し、問い合わせ前行動を元に最適なオペレーターアサイン、スムーズな用件把握を可能にすることで、AHTの効率化と満足度の高いサポート体験を両立します。 https://rightconnect.karte.io/
株式会社RightTouchについて
名称 :株式会社RightTouch
所在地 :東京都港区三田3-2-8 THE PORTAL MITA 5F
代表者 :代表取締役 野村修平/長崎大都
設立日 :2021年10月27日
事業内容:「RightSupport by KARTE」「RightConnect by KARTE」の開発、提供
企業URL:https://righttouch.co.jp/
資本金 :10,000,000円(資本準備金含む)(2023年12月末時点)/ 株主:株式会社プレイド