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そうだ! 旧車に乗ろう! 素人女子の三菱「ギャラン」レストアへの道 第3回

素人女子がギャランのレストアに挑戦! サビとの戦いで心が折れるかと思った

2024年09月14日 15時00分更新

文● 矢田部明子 写真●平野 陽 編集●ASCII

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ギャラン

 「三菱 ニューギャラン」レストア連載3回目は、購入時に必ずすべき、車両状態のチェックです。私が古いクルマを購入するにあたって、ほぼ100%言われたのが「サビがひどいクルマは絶対にやめておけ」でした。その当時は、そこまで? と思っていましたが、実際に修理に着手した今なら、身に染みて分かります。確かにちゃんと見ておいて良かったです。

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 今回は「なぜ、サビていたらダメなのか?」「見落としがちなサビの箇所」をわかりやすくお伝えしたいと思います。しかし、3回目にして、やっと実車を触っていくわけですが、新車しか購入してこなかった私にとって、古いクルマはわからないことが多すぎる……。骨が折れることばかりです(先が思いやられる)。

ひとりに限界を感じ、早くも助っ人登場!

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サンダー平野さん(左)。SEMAショーなど海外取材も得意で、国内外問わずに活躍するフォトグラファー。ご自身は510ブルーバードなどを所有し、数々のイベントで賞を受賞していらっしゃいます

 「助っ人登場が早すぎる」という声が聞こえてきそうですが、本当に右も左も分からないとは、まさにこのことという感じでした。みんカラやXなどのSNSにはたくさん情報がありましたが、修理の仕方は様々で、どの方法が自分のニューギャランに合っているかがイマイチ判断できないのと、ニューギャラン自体が日本での販売台数が振るわなかったため、部品が国内にほぼないという現状に絶望……。

 そんな時に、一緒にお仕事をさせていただいたことのある「サンダー平野さん」に相談したところ、手伝ってもらえることになりました。平野さん! 本当に本当にありがとうございます!

なぜ、サビは警戒すべきなのか?

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 旧車に乗ろうと決めた当初は、エンジンが動くかどうか、部品事情ばかりを気にしていましたが、それよりも厄介なのが「サビ」とのこと。一体どういうことなのかをうかがうと、“サビの修理は永遠に終わらない”という回答が。

 サビている部分を落としても完全に取り除けないし、その部分を切除し鉄板を溶接しても繋ぎ目部分からサビていくなど、完璧に元通りにならないからです。また、部品とは違い、新品のボディーや代替品も気軽に入手できないので、維持するということを考えるとサビのない個体を購入するのがベストだということです。

色々な箇所がサビていた&朽ちていました……

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 ボディーに淡い茶色いサビができていたので、大丈夫かな? と思い尋ねたところ、「これは、何とかなりそうだけどね~」とのこと。それを聞いてホッとしたのも束の間、よく見たつもりだったのに、購入時に見落としていた箇所が多々ありました。

 今思えば、念願の旧車を目の前にテンションが上がってしまい、勢いに任せて購入してしまったのかなぁと。反省です……。

何とかなりそうなサビの種類

■ボディーのサビ

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 ボディー表面に見られる淡い茶色いサビ。これは、磨けば落ちるし、何とかなる! とのことでした。

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 ドアの繋ぎ目、ボンネットの隙間など、雨水が溜まりやすい箇所は錆びていることが多いです。サビを確認するときは、ドアを開ける、ボンネットを開けるなどして、くまなくチェックするが吉!

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 平野さんの話を聞いて思ったのは、この部分以外にも、水が流れそうなところ(ウェザーストリップの裏側など)はざっと目を通しておいた方が良さそうです。

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 ドア内側に侵入した雨水を排出する、ドア下部にある直径1cm程度の穴は、雨水が溜まり錆びるというケースがよくあるそうです。この部分も必ずチェックしましよう。

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 泥除けのゴム部分とボディーの間に水が溜まり、その部分が朽ちているというケースもあるあるとのこと。

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 室内換気用の通風口(ベンチレーション・グリル)に銀杏の葉っぱが入っていたのは知っていたのですが、お掃除するとサビが出てきました。外して奥の方を見ようとしたのですが、取り外しができなかったので真相は如何にという感じです。今のところ、大きなサビは見当たりません。

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 まったく見ていなかった、トランクの中……。荷物が入っていると、そこに湿気が溜まり錆びてしまうことがあるそうです。私の場合は、銀杏の葉っぱがここにも両サイドに入っており、めくるとやはり少し錆びていました。みなさん、こういうところはきちんとチェックしましょう!

■ホイールの表面のサビ

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 ボディーよりも鉄板の厚さがあるので、ホイールが朽ちるということはありませんが、ここまで錆びていると削ってもサビの跡は残ってしまうかも? ということでした。

■放っておくとダメなサビ

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 サイドシルなんですが、サビというか穴が空いていました……。ボディー表面のサビとは違い、触ると表面がパラパラと崩れ落ち、濃い赤茶色の色をしています。走行に影響はないとのことですが、どこかのタイミングで修理していかないと、どんどん腐食が進んでいくそうです。

青空駐車をするときの対策

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 サビのことを考えると、車庫があればいいんですけど……青空駐車の私は、ボディーカバーをかけて雨水をしのぐことにしました。選んだのは、コストコで販売されている「Rain X Luxury Car Cover」。なぜか値下げされていて、3756円でゲット!

※コストコ会員歴10年に突入しましたが、いつセールしているのかまったく不明……。この金額はたまたまだと思います。

 実は、コチラのボディーカバーの前に別商品を使っていたのですが、断然こっちが使いやすかったので、その理由を簡単にお伝えします!

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1.表面が布なので、ボディーに細かい傷が付かない。

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2.シートをボディーに固定できる専用ストラップ付きだから、ちょっとやそっとの風でも飛ばされない。フロント、サイド、リアの5点で留めることができる&マジックテープの力が強力で外れないのがGOOD。

 以前使っていた3点留めの製品は、はす向かいのお家まで飛んでいきました……。

3.お値段が手頃なので、劣化してしまったら即交換という感じで使える。高い商品を購入しても“持ちが良い”わけではないので要注意!

 基準は人によると思いますが、お財布事情的に私はコスパが良い商品を選びました。100均、大手カー用品点で買える1000円以下の商品も試しましたが、以上の3点を押さえているとしっかりボディーカバーの役割を果たしてくれそうです。

 ちなみに、天気が良い日はボディカバーを外して、ドアやボンネットを開けて空気を通してあげると、なおヨシです!

【まとめ】直せないほどのサビではなかったものの
でも旧車はマメなメンテナンスが必須

 チェックの結果、まったく錆びていないというわけではありませんでしが、手がつけられないほど腐食しているワケでもなく、年式から考えるとすこぶる綺麗な状態ということでした。

 とはいっても油断は大敵なので、週に1回は状態を必ずチェックし、サビの進行が進んでいるところが見つかれば、都度メンテナンスをしていきたいと思います。サビの種類や進行度合いによってメンテナンス方法が変わってくるそうなので、その方法は後ほど!

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筆者紹介:矢田部明子

 中学生の頃、クルマのメカニズムに興味を持ち工業高等専門学校に入学。専門的な知識を学んできました。もちろん、クルマに乗るのも大好きで「ランドクルーザー60→ランドクルーザー76」と乗りついでいます。最近の唯一の癒しは、週末にオフロードに出かけることです!

 クルマのメンテナンスなど工業高等専門学校で学んだ知識と経験を活かして、様々な角度からお役立ち情報をお届けしていきたいと思います。

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