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Linux Foundation Japan 中村雄一氏が立ち上げ背景や活動を紹介、KubeDay Japan 2024レポート

クラウドネイティブの波に乗り遅れた日本、力を集結し状況打破目指すCNCJのこれから

2024年09月05日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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クラウドコスト管理改善を目指すFinOpsコミュニティへの参加呼びかけも

 スポンサーキーノートのひとつとして、日立の河内山春奈氏は「クラウドネイティブにおけるOSSコミュニティ活動の価値拡大(Expanding Value of OSS Community Activities in Cloud Native)」と題した講演を行った。

日立製作所 マネージド&プラットフォームサービス事業部 クラウドマネージドサービス本部 クラウド&デジタルマネージドサービス部 主任技師の河内山春奈氏

 現在、クラウド環境やクラウドアプリケーションの運用において、さまざまな課題が生じている。代表的な課題としては「安定性や信頼性の欠如」「インシデントの多発による運用チームの業務負荷増加」「クラウドコストの増大」といったものだ。その原因には「開発(Dev)と運用(Ops)チームの分断」「クラウドやSREのスキル/ノウハウ不足」「開発/テスト/PoC環境の乱立」「複雑なクラウドシステムにおける管理性の欠如」があると、河内山氏は分析する。

 顧客企業の抱えるこうした課題に対して、日立ではSREの成熟度、クラウドコストのアセスメントと改善支援を行い、運用とコストの継続的な最適化を図るマネージドサービス「Hitachi Application Reliability Centers(HARC)サービス」を提供している。

 このHARCで提供するコスト最適化サービスに関連して、日立では今年4月からFinOps Foundationに参加し、コミュニティへのコントリビューションを行っている。

HARCのコスト最適化サービスにおいて、FinOps Foundationへのコントリビューションを開始した

 FinOpsとは、クラウドコストの管理と最適化、さらにクラウドのビジネス価値最大化を図るフレームワークと取り組みであり、「クラウドネイティブにおける最新トレンド」(河内山氏)だという。FinOps Foundationは、このFinOpsの高度化と普及を目的としたLinux Foundation傘下のプロジェクトであり、「FinOpsフレームワーク」やクラウド課金データの標準仕様「FOCUS」の策定などを行っている。

FinOps Foundationは、FinOpsフレームワークやクラウド課金データの標準策定などを行っている

 日立では、HARCサービスにおいてこのFinOpsフレームワークを活用し、日本市場におけるFinOpsの普及やコミュニティ形成に貢献していく方針だと河内山氏は説明する。日本でのコミュニティ設立、FinOpsフレームワークの日本語化プロジェクト立ち上げ、CNCFとのコラボレーションといった活動を考えているという。4月には日本でのFinOpsミートアップ開催を支援した。

 河内山氏は講演の締めくくりとして、日本のFinOpsコミュニティを支える仲間を求めていると述べ、コミュニティへの参加を呼びかけた。

今後は日本国内におけるFinOpsの普及促進やコミュニティ形成を支援していくと説明した

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